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22年のサプリ輸出額、331億円超に 日本から海外、前年比44%増と大幅な伸び示す

 2022年の1年間に日本から海外へ輸出されたサプリメントや健康食品の輸出額が、少なくとも331億3,000万円に上ったことが、財務省の貿易統計に基づく農林水産省の調べで分かった。前年比は44%増と大幅に増えており、日本のサプリメント・健康食品に対するニーズの高さをうかがわせる。輸出額が最大だったのは中国。次いで、台湾、香港、ベトナムが続いた。

 7日、(一財)医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)が都内で開催した「健康食品フォーラム」に登壇した農林水産省輸出・国際局輸出企画課の西尾暁・輸出連携推進調査官が、「農林水産物・食品や健康食品の輸出促進に向けた施策の方向性」と題した講演の中で伝えた。

輸出国トップは中国、次いで台湾、香港 ベトナムが大きく伸びる

 海外に輸出されたサプリメントや健康食品などの貿易統計は、「栄養補助食品」の品目名で21年1月から取られ始めていた。西尾氏は講演で、「右肩上がりに増加している」と説明。実際、月別の輸出額を追うと、21年1月は約12億円であったのに対し、22年12月は約37億円と3倍に増えている。この統計には、越境ECを通じて輸出されたものも一定程度含まれるという。

 22年1~12月累計の栄養補助食品輸出額を国・地域別に見ると、トップは167億5,000万円の中国。全体の過半数(50.6%)を占める。次いで台湾が56億6,000万円、香港が46億8,000万円、ベトナムが28億2,000万円、米国が8億3,000万円──などと続いた。その他の国・地域への輸出額は計23億9,000万円。

 また、対前年伸び率を見ると、最大はベトナムで、94.1%のプラスと2倍近く増加。次いで中国が85.5%増、台湾が75.5%増と続いた。一方で減少した国もあり、香港は7.5%減、米国は15.2%減、その他は26.9%減となった。

 伸び率トップのベトナムは、栄養補助食品だけでなく清涼飲料水の輸出額も75.3%増の49億4,000万円と大きく伸びた。この理由について西尾氏は、高価格帯の「健康系」あるいは「美容系」の清涼飲料水の輸出額が大きく増えた可能性が高い、と分析。輸出額が増えた製品の詳細が分かれば、ヘルスケア関連食品・飲料の輸出規模がより詳しく分析できるようになるとし、聴講した健康食品業界関係者らに情報提供を求めた。

300億円超える輸出規模 「非常に大きい」

 22年、日本からの農林水産物および食品輸出実績は1兆4,148億円に達し、過去最高額を記録した。対前年比は14.3%増(1,766億円増)と2ケタの伸びを示した。日本政府としても輸出促進に取り組んでおり、昨年には、農林水産物・食品に関する輸出促進法を一部改正。「オールジャパン」で輸出拡大に取り組み、25年に2兆円、30年に5兆円へ到達させる目標を掲げている。

 西尾氏は、サプリメントや健康食品など栄養補助食品の輸出額が330億円超の数字を示していることの受け止めについて、「非常に大きいという印象だ」とコメント。貿易統計上、品目を特定できない食品の輸出額がおよそ3,000億円である中で、その1割強を占めるためだ。これまで「その他」に埋もれていたサプリメントや健康食品の輸出額が把握できるようになったことで、輸出品目としてのポテンシャルの高さが可視化された格好だ。

【石川 太郎】

(下の画像:「健康食品の輸出促進とASEANサプリメント市場の動向」をテーマに開催された社福協・健康食品フォーラムの様子。会場開催は3年ぶり。業界関係者ら約110人以上が聴講した)

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