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周年記念商品&企業2024 Part2 不易流行の精神で次なる節目の年を目指す

 今年は、周年記念の商品・創業の周年を迎えた企業も多い。月刊誌「Wellness Monthly Report」5月号に続く特集「Part2」として特集を組んだ。

2004年~20周年、健康志向ニーズにアプローチしてシェアを拡大『野菜一日これ一本』(カゴメ㈱)

 “30品目の野菜を350g分使用”をコンセプトにした『野菜一日これ一本』。今では国内の野菜ミックスジュースの分類で5割近いシェア(インテージSRI+による調査/2023年1月-12月 全国対象、野菜ミックスジュースカテゴリー(野菜ジュース市場 種類:野菜100トマトM市場・ 野菜ジュ-ス・野菜入り人参))を獲得している。その特徴は、まず彩り豊かな30 品目の野菜を1日の野菜摂取目標量である350g分(厚労省推進・健康日本21の目標値)使用した野菜汁100%の野菜ミックス濃縮ジュースで、野菜本来のおいしさが感じられる商品であること。次いで、おにぎりやサンドイッチなど忙しいときの軽食に加えることで不足しがちな栄養(食物繊維、カリウム、カルシウム、ビタミンA、リコピン)が手軽に補える点だ。リコピンやカロテンのように、加工することで、身体への吸収率が高まる栄養素もある。現在では定番商品の『野菜一日これ一本』に加えて、糖質50%オフ(『野菜一日これ一本(リーフパック除く)』200ml対比)の『野菜一日これ一本 Light』など商品ラインアップも拡充した。また、賞味期間が360日(製造日からの期間)のため、買い置きができる点も高い評価を受けている。

※2004年ペットボトルタイプの商品として発売開始(左)。現在の200ml紙パック。

1999年~25周年、家庭用介護食として認知を広げるシリーズ『キユーピーやさしい献立シリーズ』(キユーピー㈱)

 1998年に日本初の家庭用介護食を発売、翌年に『キユーピー やさしい献立』シリーズとして刷新。以来、その歴史は四半世紀を数える。日本介護食品協議会が定めるユニバーサルデザインフード(UDF)の規準に沿った市販の食品として、日常の食事から介護食まで幅広く利用できるやわらかさ、食べやすさ、おいしさに加え、主食からデザートまでバリエーションも豊富に展開。近年には老老介護やヤングケアラーはもとより、ビジネスケアラーにも注目されるシリーズへと成長している。発売以来、常に国民の食の現場の実情に合わせた商品開発を行ってきており、現在はメインのご飯系からデザートまで54品目を取り揃える。高齢層がコアターゲットだが、虫歯治療後で固いものが噛めないとき、体調がすぐれないときなど、需要は今後ますます広がっていきそうだ。

※98年に健康ケア商品「ジャネフブランド」から発売された元祖のシリーズ食品(上)。99年から発売が始まった新ブランド『やさしい献立』シリーズ(下)

1994年~30周年、カップアイスの「定番」としてブランドを確立『明治 エッセル スーパーカップ』(明治㈱)

 乳脂肪を使用した濃厚な味わいの中容量カップアイスが主流だった91年から、おいしさと食べ応えの両面で楽しめるカップアイスを目指して開発を開始。その3年後に誕生したのが『明治 エッセル スーパーカップ 超バニラ』だ。発売以来、その豊かな味わいと200mlの容量を最後まで飽きることなく食べきれる、しかも手軽な価格サイズとあって市場の支持を得た。現在までに累計売上個数は65億個を超えるロングセラーとなっている。30周年を記念した商品では新フレーバーのアイデアを募集して商品化した『明治 エッセル スーパーカップ ずんだ』を9月に発売。またキャンペーンでは『ずんだ』にちなんだオリジナルえたまめクッションが当たるプレゼント企画のほか、㈱バンダイとコラボした「ガシャポン®」の発売など、プロモーションも多彩に展開している。

※94年9月発売時の『明治 エッセル スーパーカップ 超バニラ』(左)。今年9月から発売開始した30周年記念ロゴ入りの現行商品(右)

1969年~55周年、三角形のユニークな形状で幅広い認知を獲得『アポロ』(㈱明治)

 69年7月21日、アメリカNASAの宇宙船「アポロ11号」が人類初の月面着陸を成功させた。実は、㈱明治はそれ以前に、新しいチョコ菓子の名称として『アポロ』を登録しており、同年から宇宙船をイメージした特徴的な三角形のチョコを発売開始し、たちまち人気商品に。以来、55年。イチゴとミルク味を組み合わせた三角形のチョコが定番商品だが、今では円筒形パッケージの『アポロジャンボ』、シェアにぴったり12袋入りの『アポロ袋』のほか、経路や地域に限定したシリーズ商品を展開している。ちなみに同社の人気商品『きのこの山』の形状も、先行商品『アポロ』があったからこそ誕生したそう。また、NASAはわが国のJAXAとの共同ミッションとして2025年以降に再び月面への着陸を目指す「アルテミス計画」を現在進行中。その過程において『アポロ』も、今後おおいに注目を集めそうだ。

※69年発売当時の商品パッケージ(左)。現行の定番品(右)。

1964年~60周年、幅広い世代に愛されるブランドに進化『かっぱえびせん』(カルビー㈱)

 「やめられない、とまらない♪」でおなじみの『かっぱえびせん』。その歴史はまだ食糧不足の1950年代にまでさかのぼる。カルビーの創業者である松尾孝氏は「人々においしくて栄養豊富で腹持ちのいいものを食べてもらいたい」と考えた。当時、米は配給制で入手しにくかったため、アメリカから輸入された小麦粉を原料にした新しい食感あられの開発を開始。55年、日本初の小麦製あられである『かっぱあられ』が発売され大ヒット商品となった。さらに松尾氏は「どうすればもっと美味しくなるか」と開発を続け、瀬戸内の小えびを使用したスナック菓子を構想。試行錯誤の末、64年に誕生したのが『かっぱえびせん』だ。以来、発売当時の味をベースにしながらも、幅広い世代に愛されるブランドを目指して、えびの産地や漁獲時期にこだわり、パッケージも含め常に時代に合わせた微調整を行っている。

※64年発売当時の商品パッケージ(左)と現行品(右)

【堂上 昌幸】

(文中の写真はそれぞれ各社提供)

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