カゴメ、24年12月期第3四半期決算発表 積極的な需要喚起策の結果、増収増益に
カゴメ㈱(愛知県名古屋市、東京都中央区、山口聡社長)はこのほど、2024年12月期第3四半期(2024年1月1日~9月30日)決算短信を発表した。売上高は前年同期比37.3%増の2,263億8,000万円、営業利益は同58.1%増の243億400万円だった。
同社は、22年12月期から4年間を対象とする中期経営計画の下、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」を目指している。基本戦略である「4つのアクション(①野菜摂取に対する行動変容の促進、②ファンベースドマーケティングへの変革、③オーガニック・インオーガニック、両面での成長追求、④グループ経営基盤の強化と挑戦する風土の醸成)の有機的連携による持続的成長の実現」に取り組み、さらなる企業価値の向上に努めている。
国内加工食品事業においては、主要原材料の製造費用の増加を受け、野菜飲料やトマト調味料など一部製品の出荷価格を改定した。これに対して、需要の落ち込みを最小限に抑えるため積極的な需要喚起策に取り組んだ。この結果、販売数量の減少を想定よりも抑えることができ、増収増益となった。
同事業では、飲料や調味料等の製造・販売を手掛けている。同事業における売上収益は、同10.1%増の1,148億8,700万円、事業利益は、同36%増の130億9,500万円となった。飲料カテゴリーは、トマトジュースにおいて血圧・コレステロールが気になる健康関心層に加えて、美容関心層の新規ユーザーを獲得したことにより好調に推移した。「野菜生活100」シリーズは、『野菜生活100 レモンサラダ』など新商品の発売、「朝を味方に。」をテーマとした需要促進策が一定の効果をもたらしたという。これらの結果、同カテゴリーの売上収益は、同10.4%増の623億7,200万円、事業利益は、同24.9%増の80億5,500万円となった。
通販カテゴリーでは、主に野菜飲料、サプリメント、スープなどの製造・販売を行う通信販売「健康直送便」を手掛けている。通販カテゴリーは、サプリメントをはじめとする定期顧客層が前年を下回ったが、スープが好調に推移。以上により、同カテゴリーの売上収益は、同0.4%増の95億9,300万円となったが、原材料費の上昇などにより、事業利益は同6.8%減の5億8,900万円となった。