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探訪スーパーオリエント39(2) 糖質少なく、酵素活性が失われていない理由

 高タンパクで低糖質、かつ、酵素活性が損なわれていない──1970年創業のインターナショナルフーズ㈱(東京都多摩市)が原材料供給する粉末状の植物発酵エキス「スーパーオリエント39」にはそんな特徴がある。

 今からおよそ40年前に行われた「スーパーオリエント39」を含む5製品(酵素製品)を対象にした民間の商品テスト結果について前回書いた。そうした特徴を持つ製品は他に見られなかったという。

 ではなぜ、植物発酵エキスという本質は同じでありながら、「スーパーオリエント39」はそうした特徴を持ち得るのだろうか。その答えは、販売が始まった1970年代から変わっていない基本的な製法にある。

 野菜や果実などの多種多様な植物を原料として利用する点は、他の植物発酵エキスとまったく同じ。ちなみに、製品名にある「39」とは、原料植物の種類に由来する(正確には40種類)。

 それらの植物を丸ごと、砂糖などの糖類やアルコールで発酵させてエキス抽出する。エキス抽出といっても、原料に含まれる特定の成分を濃縮することが目的ではない。いわば、原料となる植物に含まれる成分等を全体的に「煮だす」イメージだ。

 植物発酵エキスの製法は、なにも1つに限定されるものではないが、ここまでのところスーパーオリエント39の製法は、他の植物発酵エキスの製法と基本的には変わらないと考えられる。

 一方、大きく異なると言えそうなのは、製造工程の最後の方に、「凍結乾燥」(フリーズドライ)を取り入れている点だ。その上で顆粒状にしている。

 原料(植物)から抽出したエキスには、エキス抽出するために使用する砂糖などの糖類がどうしても残る。それを発酵の段階で加える酵母によって分解させることで、糖質をぐっと減らす。すると防腐性が損なわれる。それを回避する手段としては、例えば、加熱があるのだが、「スーパーオリエント39」の場合、発売当初から、凍結乾燥の手法が採用されている。熱は加えない。

 そのため、糖質が少なく、酵素の活性も維持され、結果的に、タンパク質が多くなるという。その上で、製造時に使用する酵母も残存される。「スーパーオリエント39」はときに、「生菌型」の植物発酵エキスとも呼ばれるが、それは酵母が生きたまま残っているためだ。

 ところで、植物発酵エキスの定義とは何だろうか。

 調べたところ、(公財)日本健康・栄養食品協会が以前、「植物エキス発酵飲料」と「植物発酵食品」に関する規格基準(JHFA規格基準)を取りまとめていた。基準を見ると、植物発酵食品に関しては、糖質を100グラム当たり50グラム以上含む、タンパク質を同じく100グラムあたり2グラム以上含む──などとある。

 一方で、植物発酵エキスとは、熱を加えない、糖質が低い、そしてタンパク質や原料に由来する繊維質を豊富に含むものである──「スーパーオリエント39」の開発背景にはそうした独特の理念があったとインターナショナルフーズの代表者は話す。

 その理念に基づき、「スーパーオリエント39」を開発したのは、中医師の台湾人、林玉田氏であった。

 氏の話を聞くことはもうできない。2020年初頭に死去したためだ。

 ただ、酵素製品と当時呼ばれていた植物発酵エキスを林玉田氏がどのように捉えていたのか、また、現在は「スーパーオリエント39」と呼ばれる植物発酵エキスの開発意図が良く分かるインタビュー記事が残されている。1979年8月発刊の雑誌に掲載されたものだ。

 同誌によれば、今で言う「自然療法」を行うクリニックを台湾で開業していた林さんは、「スーパーオリエント39」を開発する以前から、日本で開発された酵素食品(飲料)を自身のクリニックで患者のために利用していた。酵素の有用性に着目したからだ。ただ、悩みがあった。それは、製品中に含まれる糖分の量だ。

 「私は何とかして、このせっかくの酵素飲料から砂糖を取る方法はないものかと頭を痛めているうちに、食品加工技術が進んできました。(中略)。そこで私はまず薬草、野菜、果実、海藻の有効細胞質を抽出したあと、砂糖分を麹菌、酵母菌、納豆菌、乳酸菌などの多くの微生物によってとりのぞく──これを食べてもらって、糖分をへらしてしまう技術の開発に専念し、糖分のないものを安定保存させるために、凍結乾燥技術を導入しました。(中略)凍結乾燥が二つの欠点(砂糖濃度の高いことと義務づけられたはずの加熱殺菌)を同時に解決してくれました」(新栄養、昭和58年8月号)

 そのようにして開発された「スーパーオリエント39」は現在、HACCPやFSSC22000に基づく衛生管理体制を敷く工場に置かれた大型の培養・発酵タンクで機械的に製造されている。

(つづく)

【石川太郎】

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