富士産業が新規の機能性関与成分 【機能性表示食品届出DB更新】ノビレチンなどの代謝産物を届出
機能性表示食品の届出データベース情報更新が15日にあり、新規の機能性関与成分の届出が受付公開された。4′-デメチルノビレチンおよび4′-デメチルタンゲレチンという成分が届け出られたもので、届出資料によると、麹菌みかん果皮発酵物に含まれる成分。両成分はそれぞれ、柑橘類のシークワーサーなどの果皮に多く含まれるポリメトキシフラボノイドの一種、ノビレチンとタンゲレチンの代謝物とされている。
届け出たのは、医薬部外品や健康食品などの製造販売を行う富士産業㈱(香川県丸亀市)。ヘルスクレームについては、最終製品を使った臨床試験論文を根拠に、認知機能に及ぼす働きがある旨を届け出た。全文は以下のとおり。
「本品には、4′-デメチルノビレチンと4′-デメチルタンゲレチンが含まれるため、加齢と共に低下する中高年の認知機能の一部である、①論理的思考力(物事を矛盾なく考える力と情報・知識・経験に基づいて推論し、より正しい答えを導き出す力)と、②社会的認知機能(ヒトの感情を判断する力)をサポートします」
「社会的認知機能」に言及するヘルスクレームの届出が公開されたのは初とみられる。
この日のデータベース更新では、富士産業からの届出が他にも公開。これまでに複数の届出があるL‐アリインを機能性関与成分として配合したサプリメントを届け出た。
届出資料によると、届け出た機能性関与成分は、発酵ニンニクエキス末に含まれる。ヘルスクレームに関しては、「本品にはL‐アリインが含まれるので、日常の疲労(病的ではない一過性の疲労)を感じている中高年の方の一時的な身体的疲労感(体のだるさ・重さを感じるか)を緩和します」と、やはり最終製品の臨床試験論文を科学的根拠にするかたちで届け出た。
新規届出12件、撤回届出17件
15日のデータベース更新では、新規届出が計12件(サプリメント9件、サプリ以外の加工食品3件、生鮮食品ゼロ件)が公開された。増加している撤回届出については、前回9日の更新から計17件が追加。引き続き撤回届出が新規届出を上回る格好になった。
撤回理由を比較的詳しく記述する届出者が見られつつある。
酵母由来BCAAを機能性関与成分にした酵母エキス製品の届出を今月8日付で取り下げた富士食品工業㈱(横浜市港北区)は、「今後の販売見通しが立っておらず、今回の機能性表示食品の改正を機に撤回する」と説明。
また、γ‐アミノ酪酸(GABA)を機能性関与成分にしたチョコレート10製品の届出を10日付で取り下げた江崎グリコ㈱(大阪市西淀川区)は、その全てについて「本品は販売を終了しており、再販する予定がない。また、すでに最終生産品の賞味期限が超過しており、市場流通の可能性がなくなったため、撤回する」とした。
【石川太郎】
10月のDB更新:【1日】間もなく累計2,000件、撤回届 1日の更新、新規届出を2倍近く上回る
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