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厚労省、CBD事業者等向けに通知 THC残留限度値規制めぐる「考え方」示す

 今年12月12日から施行される、カンナビジオール(CBD)オイルなど大麻草由来製品中のテトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC。以下、THC)の残留限度値を定めた政令について、厚生労働省は4日、用語の解釈や具体的な製品例などを示す通知を発出した。

 「全ての製品は、常温における状態で区分を判断する」などとしている。例えば、「氷菓」のように凍結された状態で販売される製品も、「常温において液体となるものは液体となった状態で判断」するという。

 同政令は、厚労省が先月11日付で公布。大麻草由来製品中のTHC残留限度値について3つの区分を設け、「油脂(常温において液体であるものに限る)及び粉末」は10ppm、「水溶液」は0.1ppm、「その他」は1ppmとする規制を法令で定めた。

 厚労省が新たに発出した通知「濫用による保健衛生上の危害が発生しない量として政令で定める量について」では、「油脂」、「常温」、「液体」、「粉末」、「水溶液」の各用語の解釈を提示。

 THC残留限度値が0.1ppmと最も厳格な「水溶液」の解釈については、「水に物質を溶解させた液または分散させた液をいう」と説明しつつ、「ただし」とした上で、「粘度100mPa・s(パスカル秒)未満かつグリセリンと脂肪酸が結合した化合物の含有率が10.0%未満のものに限る」とした。

 また、3つの分類について、具体的な製品例も示した。あくまでも「製品例を想起できるよう一般的な例を示す」に過ぎないとしているが、THC残留限度値10ppmで規制する油脂については、CBDオイル、ヘンプシードオイル、化粧オイル等の「植物油」、同じく10ppmとする粉末はCBDパウダー、プロテイン等の「粉末類」が想定される製品例だとした。

 また、上限値0.1ppmで規制する水溶液については、「アルコール水溶液を含む水溶液」を示しつつ、その例として清涼飲料水、アルコール飲料、化粧水等を例示した他、「コロイド溶液」も示し、その例として牛乳、植物性の飲料──等を例示した。

カプセル形状はどの区分に?

 1ppmで規制する「その他」については、上記の油脂、粉末、水溶液に「該当しない全ての製品が該当する」とし、想定される製品例として、菓子類、錠剤、バター等の「固形物全般」、グリセリンと脂肪酸が結合した化合物及び水を含まない有機溶媒製品の「電子タバコ等」、シャンプー、リンス、乳液、クリーム、マヨネーズ、バーム、ドレッシング等の「粘性が高い、もしくはグリセリンと脂肪酸が結合した化合物の含有率が高い、またはその両方の水との混合物」、ゼリー等の「ゲル状でグリセリンと脂肪酸が結合した化合物を含まない「半固形物」──の4類型を示した。

 通知には、「具体的な製品がどの区分に該当するかについては、当該製品の形状、成分等に基づき、個別に判断される」との断りが盛り込まれている。

 また、大麻草由来製品には、カプセル形状のものもある。これについて同通知では、「カプセルのように、粉末や液体を皮膜内に充填させたもの等は、その内容物で判断」するとした。

 同政令の施行される12月12日以降、これまで規制されていた大麻草の葉や花穂も起原材料として使用できるようになる。一方で、THC残留量が政令の規定を超える大麻草由来製品は、「麻薬」に対する厳しい規律で規制される恐れがある。

 厚労省は現在、ホームページなどを通じて、「現在お手持ちの大麻草由来の成分を含有する製品について、上記値(THC残留限度値)を超える製品である可能性がある場合は、施行期日までに適切に処分等してください」などと呼び掛けている。

関連資料:通知「濫用による保健衛生上の危害が発生しない量として政令で定める量について」
    :12月12日一部施行の「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」について呼び掛ける厚労省ホームページ
関連記事:厚労省、THC残留限度値定めた政令公布 12月12日施行、数値に変更はなく
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