備前化成、SACを新ステージへ さらなる高含有化と認知機能領域への進出めざす
抗炎症機能などを持つことが報告されているニンニクに含まれるS‐アリルシステイン(SAC)を従来品以上に高含有するサプリメント向け原材料の開発と実用化に、備前化成㈱(岡山県赤磐市、清水富江社長)が大学研究機関などと連携しながら乗り出した。
現在、疲労感軽減機能を訴求する機能性表示食品向けの原材料としても供給しているSAC高含有ニンニク粉末中のSAC含量を5倍まで高め、安定的に生産できるようにする技術の実用化を目指す。人を対象にした機能性検証試験も行い、認知機能に及ぼす働きを確かめる。研究開発の出口として、認知機能領域の機能性表示食品のサプリメントや一般食品のマーケットに展開できるようにする考えだ。
備前化成が1日、明らかにした。地元の岡山大学、岡山県立大学のほか日本大学などと連携して取り組む。(公財)岡山県産業振興財団が応募した、「抗炎症食品としてのSAC高含有ニンニク粉末の製品化」をテーマとする研究開発プロジェクトが、経済産業省の提案公募型事業「Go‐Tech」に採択されたことで、本格的な取り組みになった。プロジェクトは3年計画。SACが血液脳関門を透過するメカニズムの解明なども進める。
1日、プロジェクト関係者が一堂に会する会合が岡山県内で開催された。プロジェクトリーダーを務める備前化成の丸勇史・研究開発本部長(執行役員)は、プロジェクトの全体概要を改めて説明しつつ、抗炎症機能を持つSACの含量をさらに高めたニンニク由来の機能性食品素材によって「老化抑制と健康寿命延伸に貢献する」と抱負を述べた。
(冒頭の画像:1日の会合でプロジェクト概要を説明する備前化成の丸氏。会合の模様は一部、メディア向けにライブ配信された。画像は画面キャプチャ)