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2023年版「厚生労働白書」公表 高齢社会における課題と対策は?

 厚生労働省はこのほど、2023年版「厚生労働白書」を公表した。急速に高齢化が進む社会で浮き彫りとなった課題と対策について報告している。
 2013年から始まった国民の健康作り運動「健康日本21(第2次)」では、平均寿命を上回る健康寿命の延伸を目指している。人の死因の約5割を占める「がん」、「循環器疾」、「糖尿病」、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」などの生活習慣病リスクを減らし、国民の健康作りのために、さまざまな取り組みを行っている。

健康サポート薬局の拡充

 その一環として白書では、薬剤師の資質向上と薬局機能の強化を掲げている。2015年10月以降、「患者のための薬局ビジョン」を策定し、薬剤師の資質向上と薬局機能の強化を目指してきた。24時間対応・在宅対応、医療機関との連携などを提示し、地域住民の健康の維持・増進を積極的に支援する健康サポート薬局制度を導入した。
 また、AI、ICTなどの技術発展に伴い、薬剤師や薬局を取り巻く周辺環境が変化したことで薬剤師の業務や薬局の機能自体にも変化が見込まれるとし、22年2月から「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」を開催し、あるべき薬局薬剤師の業務や薬局の機能について、基本的な考え方を整理し、具体的な対応などについてアクションプランとして、同年7月に取りまとめを公表している。

「減塩」への取り組み推進

 栄養・食生活においては、「減塩」の取り組みを優先している。国民にとって重要な栄養課題となっている「食塩の過剰摂取」への対策とともに、「若年女性のやせ」や「経済格差に伴う栄養格差」についても、産学官が連携して取り組むことで、「誰一人取り残さない栄養政策」を推進。22年3月には、「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」を立ち上げている。

食の安全性確保に注力

 食の安全性確保に力を入れている。HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化、営業届出制度の創設や実態等に応じた営業許可制度の見直し、食品リコール情報の報告制度の創設、食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入、特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集などを盛り込んだ「食品衛生法等の一部を改正する法律」が18年6月7日に成立し、21年6月1日までに順次施行されており、同法の運用が行われている。
 食中毒の事件数は1998年をピークに減少傾向にあるが、最近ではアニサキス、ノロウイルス、カンピロバクター・ジェジュニ/コリなどの原因菌が占める割合が高まっており、食中毒予防の観点から重要な課題となっている。

 食品添加物の安全性確保に力を入れている。既存添加物については、厚生労働省が中心となって安全性確認を計画的に進めるとともに、使用・流通実態のないものを、既存添加物名簿から消除する手続を進めている。また、既存添加物の品質を確保するため、成分規格を設定する作業を進めている。

 いわゆる「健康食品」の安全性確保については、健康被害情報の収集・処理体制により、健康被害の発生防止などを講じるとともに、リスクコミュニケーションの実施、パンフレットの作成などによりいわゆる「健康食品」の利用に関する正しい知識の普及啓発に努めている。特別の注意を必要とする成分等を含む食品について、その健康被害情報を行政に報告する制度を新設し、4成分について報告された情報については、専門家の意見を聴いて検討し、公表している。

 その他、輸出入食品や遺伝子組換え食品などの安全性確保の現状について報告している。

厚生労働白書2023年版(厚労省ホームページより)

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