同社は、沖縄県久米島町で2001年に創業した化粧品OEM・ODMメーカー。久米島の自然の恵みに囲まれた環境で製造しており、安全性・生産性・衛生面などで良質な化粧品を作るための品質管理を徹底している。環境問題も視野に入れた新しい素材・技術の向上にも積極的に取り組んでいる。市場のニーズをいち早くとらえ、次の一手を常に提案する同社。同社の現状と、同社から見た沖縄県ヘルスケア産業界について話を聞いた。

＜沖縄色を生かした提案を行う＞
――事業内容についてご説明ください。
大道　当社は、180社以上の化粧品OEM・ODMを受託しています。生産ラインは、GMP基準に準じた設備を採用しています。需要が増大している小ロット製品のほか、サンプル品やトライアルキットの生産も可能で、コストパフォーマンスに優れた多品種少量生産を実現しました。商品は、クリーンな生産ラインで充填した後、厳しい品質検査に合格したものだけが梱包・出荷されます。また当社では、医薬部外品の育毛剤をはじめ、シャンプーやトリートメントなどの商品開発を行い、OEM商品の製造も行っております。
そのほか、ホテルアメニティとして、シャンプー・トリートメント・ボディソープの使い切りパウチセットや、大容量バルクまで対応しており、ムスリム用のローカルハラル製品も生産可能です。

――他社と差別化している点は。
大道　当社では、全ての化粧品のベースとなる水に、久米島の沖合2.3km、水深612m からくみ上げられる久米島海洋深層水を使用しています。沖縄県海洋深層水研究所に隣接しており、水は研究所から直結したパイプラインで外気に触れることなく取水されます。
取水された海洋深層水は、水・塩・ミネラルに分けて精製された後、化粧品の原料として使用されます。久米島海洋深層水を使用した商品については、久米島海洋深層水連絡協議会に久米島海洋深層水ブランドマーク使用許可の申請を行い、認定されるとブランドマークを商品に付加することができます。当社では、久米島海洋深層水使用による商品の差別化を提案しています。また、久米島海洋深層水を使用し、独自の技術によって作られた「KM-DSWP」（化粧品原料水）について、富山県立大学と共同研究を行い、エビデンスを取得しています。

＜コロナ禍でも好調を維持＞
――コロナの影響を含め、直近の業績はいかがですか。
大道　当社に限って言えば、消費税の増税前の駆け込み需要で案件が集中した直後は少し業績が落ちましたが、その後は化粧品のOEM案件が新規・既存ともに伸びています。取引先は通販事業者やネットワーク販売事業者などです。
コロナ禍で化粧品通販は苦戦しているという話も聞かれましたが、当社が受託している基礎化粧品は相変わらず伸びています。逆に「おうち時間で自分磨き」に力を入れる女性が増えているのではないでしょうか。

＜COMPANY　INFORMATION＞
所在地：沖縄県島尻郡久米島町字真謝486-12（本社）
TEL：098-896-8701
FAX：098-896-8702
URL：http://pointpyuru.co.jp
事業内容：化粧品OEM製造、せっけん・クレンジング・基礎化粧品の製造

（冒頭の写真：大道敦社長、記事中の写真：同社工場）
【聞き手・文：藤田　勇一】
（つづく）