高齢者被害、ネット通販が1位
東京都が2,400人を対象にインターネット調査を実施
都内在住の高齢者2,400人を対象にした調査の結果、インターネット通販による消費者被害が最も多かったことが東京都の調べで分かった。
東京都は2021年9月15日~17日まで、60歳以上の男女を対象にインターネットによるアンケート調査を行った。被害に遭ったことがあると回答したのは104人で、全体の4.4%だった。
被害に遭った販売方法・商法別では、「インターネット通販」、「定期購入」、「架空請求・不当請求」、「点検商法」の順に多かった。
インターネット通販では男性が54人に対して女性が24人、定期購入では男性6人に対して女性12人、架空請求・不当請求では男性13人に対して女性4人、点検商法では男性3人に対して女性6人だった。
被害額では1万円以上5万円未満が最も多く、47人だった。続いて1万円未満44人、5万以上10万円未満14人、10万以上50万円未満7人、50万以上100万円未満4人で、100万以上500万円未満2人、覚えていない・分からないと答えた人が4人いた。
被害経験者104人のうち、被害後に何らかの行動をとったのが62 人、何もしなかったのが42 人だった。具体的な行動としては、「インターネットで調べた」29 人、「消費生活センターに相談した」20 人、「警察に相談した」19 人だった。
被害後に何もしなかった42人(男性28人、女性14人)の理由は、「大した被害ではないと思ったから」が21人と最も多く、次いで「自分にも責任があると思ったから」が13人、「相談したり、調べたりしても解決しないと思ったから」が9人だった。
高齢者が消費者被害にあわないために必要な対策について聞いたところ、「テレビ・ラジオ・新聞などのメディアに被害情報を取り上げてもらう」が 67.4%と最も高く、前回調査の 61.2%から、6.2 ポイント増加。一方、「地域で声を掛け合うなどの関係を作る」は 37.6%から29.9%と7.7 ポイント減少した。
また、消費者被害に関する注意喚起情報を入手しやすいと思う広告媒体は、「テレビ CM」が 80.9%と最も高かった。「Twitter や Facebook などの SNS」は、前回調査から 4.1%から 12.4%と、8.3 ポイント増加。「メールマガジン」は 16.8%から 21.0%と4.2 ポイント増加した。
その一方で、「新聞広告」は、63.5%から 40.1%と23.4 ポイントの大幅な減少を示した。「自治会・町内会などの掲示板や回覧板」も49.0%から29.2%と19.8 ポイント減少した。
消費者教育についてもたずねた。学びたい消費生活情報は、「悪質な商法や販売方法の対処方法」が42.6%と最も高かった。「終活(相続・遺言・葬儀等)」32.5%、「携帯電話・スマートフォン・インターネットに関するトラブル」31.5%と続いた。
今回の調査と前回の調査を比較すると、スマートフォン所有者は20.4%から85.3%に増加。ガラケーの所有者は10.3%と59.6ポイント減少していた。SNSは、前回調査では何も活用していない人が65.2%だったものの、今回は39.6ポイント減少し25.6%だった。最も活用されているSNSは「LINE」。前回の6.9%から59.1ポイント増加し、66.0%だった。
・インターネット通販とは
インターネットによる申込みを受けて商品の販売やサービスの提供を行う販売方法。
・定期購入とは
販売業者が定期的に継続して購入者に商品を引き渡し、購入者がその商品の代金を支払うこととなる契約。
・架空請求・不当請求とは
身に覚えのないサイトの利用料金等について「連絡がなければ法的措置を取ります」「最終通告」などと書かれたメールやハガキが届いて請求するという商法。
・点検商法とは
「点検に来た」「無料で点検する」と言って家に上がり込み、「この商品は壊れている」「家屋に亀裂がある」などと不安をあおり、商品やサービスを契約させる商法。