骨太の方針、大麻制度見直し盛り込む 政府が閣議決定 フェムテックの「更なる推進」も
政府が7日に閣議決定した、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、大麻に関する制度を見直す方針が盛り込まれた。「大麻に関する制度を見直し、大麻由来医薬品の利用等に向けた必要な環境整備を進める」とされており、大麻由来のCBD(カンナビジオール)製品に関する直接的な言及はない。ただ、政府が大麻制度を見直す方向性を明記したことに注目する声がCBD事業者から上がっている。
岸田政権で初となる今回の骨太の方針ではまた、「女性の活躍」を掲げた中で、女性の健康に関する支援や、ヘルスケア産業界で注目度が高まっているフェムテックの「更なる推進」などといった方針を盛り込んだ。
大麻に関する方針は、第4章「中長期の経済財政運営」のうち、全世代型社会保障を掲げた「持続可能な社会保障制度の構築」における、「社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進」の項目に盛り込まれた。この項目では、総理を本部長とする「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部」(仮称)を新設する計画を示すとともに、疾患の「予防・重症化予防・健康づくりを推進する」方針も掲げている。
大麻に関する制度の見直しをめぐっては、大麻取締法を所管する厚生労働省がすでに検討に着手。先月25日、「大麻規制検討小委員会」(委員長:合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所長)の初回会合を開催。同法の改正に向けた本格的な議論を開始し、海外で承認されている大麻由来医薬品について、日本でも製造、施用を可能とする方向性を固めた。また、同省は論点の1つに、「大麻の適切な利用の推進」を掲げ、「規制対象ではないCBDを利用した製品等」の産業利用と健全な市場形成を図る必要性を指摘している。今夏にも取りまとめが行われる見通し。
大麻規制の見直しは、昨年発足した超党派の「CBD議連」(事務局長:松原仁衆議院議員)なども求めており、同議連は先月開いた役員会で、骨太の方針に対する提言も行っていた。
【石川 太郎】
(冒頭の画像:新しい資本主義を掲げた「骨太の方針2020」の表紙)
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