食品表示基準改正案、パブコメ結果公示 無添加・含まない表示を一般食品同様に
消費者庁は1日、食品表示基準の一部改正案について6月13日~7月14日まで実施したパブリックコメントの結果を公示した。
改正案は、機能性表示食品における「機能性関与成分以外の成分」の強調表示をめぐる取扱いを見直し、成分を添加していないことや成分を含まないことなどの表示を、一般食品と同様に認めるとするもの。寄せられた意見は9件、そのうち募集意見とは関係がないとされる意見が2件あった。
成分強調表示の見直しへ
改正前は、別表第9の栄養成分に関する強調表示は禁止されていたが、改正後はどのような表示が可能になるのかという質問が出された。これに対し消費者庁は、現行制度との違いを整理した上で、改正後、成分を添加していないことについては「砂糖不使用」、「食塩無添加」、成分を含まないことについては「ノンカフェイン」などの表示が想定されると回答した。また、表示例の明確化については「必要に応じて対応する」と述べた。
「機能性関与成分以外の成分を強調する用語」に危険性のある成分や原材料を含めるべきだとの意見が寄せられた。具体的には、添加物や遺伝子組換え作物を使用している商品が存在する中で、有益な成分だけを強調することは消費者に誤解を与える可能性があるため、「添加物不使用」や「遺伝子組換え不使用」といった情報を商品に表示できるよう求める内容であった。
これに対し、消費者庁は、今回の改正案は機能性表示食品において「成分を添加していない」「成分を含まない」などの表示を一般食品と同様に認めるものだと説明。その上で、添加物や遺伝子組換え作物の不使用表示については、すでに食品表示基準やガイドライン等で規定されており、機能性表示食品と一般食品の取扱いに違いはないと回答した。
サプリメント適用に懸念の声も
機能性表示食品のうち錠剤やカプセルなどのサプリメントに対して「無添加」、「含まない」といった強調表示を認めることに反対する意見が複数提出された。意見では、サプリメントは食品の風味を楽しむものではなく、糖類や塩分などの添加は通常不要であるため、無添加であることを強調するのは当然の性質を誇張するに過ぎないと指摘。その結果、あたかも他の製品より優れていると誤認し、過剰摂取を招く懸念があるとして、サプリメントについては強調表示を引き続き禁止すべきだと主張した。
これに対し消費者庁は、「他の製品より優れていると誤認させる表示」は、景品表示法など法令により禁止されていることを前提として説明した。その上で、サプリメントも含め、天然抽出物などを原材料とする錠剤やカプセル形状の食品についても、一般的な食品と同様に「添加していない」、「含まない」といった表示を可能とする方向で見直すと回答した。
同庁は、パブコメの公示とともに、改正案を官報に公示し、届出に関する手引きおよび質疑応答集を改正、公表した。
パブコメ結果はこちら(e-GOVより)