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食品安全制度めぐる識者懇談会
厚労省が設置 座長に医薬食品衛生研の合田氏

 食品安全制度懇談会──こう名付けた有識者グループを厚生労働省が新たに立ち上げ、30日午前、初会合をウェブ会議形式で開催した。

 懇談会を構成する識者は、行政関係者やメディア関係者なども含めて総勢15人。座長は、合田幸広・国立医薬品食品衛生研究所長が務める。懇談会を立ち上げた目的について厚労省では次の通り説明する。

 「平成30年の食品衛生法改正、食品の販売形態の多様化、分子生物学的技術を用いた新たな育種技術(ゲノム編集技術、その他)の実用化等、食品衛生をとりまく環境が今後大きく変化していくことが見込まれている。

 これらの背景を踏まえ、食品衛生をとりまく環境変化への総合的な対応に資するよう、食品安全等に係る制度の在り方等に関し、関係者に幅広く意見を聴く場として、食品安全制度懇談会を開催する」。

議論の対象に健康食品も

 懇談会の主催は、医薬・生活衛生局(生活衛生・食品安全)。事務局(庶務)を担当するのは生活衛生・食品安全企画課で、食品基準審査課と食品安全監視課も協力しながら運営していく。

 食品安全がテーマなだけに、健康食品も議論の対象になる可能性が濃厚だ。実際、この日の懇談会で配布された、厚労省で取りまとめた「食品安全制度の現状」と題した約50ページにおよぶ資料には、「いわゆる健康食品」も取り上げられている。「健康被害の未然防止のための取組」の項目に加えられた。

 加えて、厚労省は現在、改正食品衛生法に基づき制度化された指定成分等含有食品以外にも、保健機能食品なども含めた「いわゆる健康食品」との関連が疑われるリスク情報の広範な収集に乗り出している。今後の懇談会の議論を注視する必要がある。

 事務局によると、30日に開いたキックオフ会合では、改正食衛法の運用を始めとする食品衛生行政の全体像を厚労省側で説明した上で、識者がそれに対する意見などを自由に発言する形で進められた。また、この日は、健康食品の安全性に係わる制度について議論されることは特段なく、指定成分等含有食品制度の概要などを厚労省が解説するのみだったという。「現時点では新たな規制云々の話はしていないし、出ていない」としている。

 第2回の開催日は現在のところ未定。また、報告書等の成果物をまとめるかどうかも未定だという。

 昨年6月までに完全施行された改正食衛法の附則では、法施行後5年を目途に、施行状況の検討を行い、必要に応じて所要の措置を講じる旨(検討規定)を定めている。「それも踏まえて懇談会を設置した。最終的に法案を出すかどうかはさておき、5年後の見直しも一つのきっかけに、議論を進めていく方向で考えている」(事務局)などとしており、懇談会は今後、比較的長期にわたり断続的に開催されていく模様だ。

【石川太郎】

<食品安全制度懇談会 構成員>

朝倉 宏:国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部長

伊藤 美千穂:京都大学大学院薬学研究科 准教授

稲見 成之:東京都福祉保健局食品監視課 課長

浦郷 由季:全国消費者団体連絡会 事務局長

加地 祥文:公益社団法人日本食品衛生協会 常務理事

片野 緑:日本生活協同組合連合組織推進本部社会・地域活動推進部組合員活動グループ マネジャー

神村 裕子:公益社団法人日本医師会 常任理事

苅田 香苗:杏林大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授

吉川 肇子:慶応義塾大学商学部 教授

合田 幸広:国立医薬品食品衛生研究所 所長

清古 愛弓:葛飾区 健康部長兼保健所所長

田辺 義貴:一般財団法人食品産業センター 専務理事

平沢 裕子:産経新聞東京本社編集局文化部 記者

藤原 凛:函館大学商学部 准教授

村松 智恵子:名古屋市食肉衛生検査所 所長

(3月30日現在。敬称略)

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