食品営業規制、発酵乳・乳酸菌飲料・清涼飲料など大括りへ
<油脂製造業許可でマーガリン・ショートニングも可能に>
厚生労働省の「食品の営業規制に関する検討会」は19日、営業許可業種の見直しや営業届出制度の方向性について議論した。今月下旬から全国7都市で開く説明会で寄せられる意見も踏まえ、来年3月までに結論を取りまとめる。
厚労省は、これまでの議論を反映させた「対応方針案」を提示。営業許可業種の見直しは、現行の許可対象業種の大括り化、既存許可業種を統合した許可業種の設定、条例許可対象の業種を許可対象業種とする方向で整理する。
許可対象業種の大括り化は、(1)乳処理業の許可で、発酵乳・乳酸菌飲料などに加え、清涼飲料も製造可能とする、(2)清涼飲料の許可で、生乳を使用しない乳飲料、乳酸菌飲料を製造可能とする、(3)乳酸菌飲料製造の許可を廃止する――方向となっている。また、食用油脂製造業の許可で、マーガリンとショートニングを製造可能とする。油脂製造の工程がないマーガリン・ショートニング製造業があるため、マーガリン・ショートニング製造業の許可を残す考えだ。
既存許可業種を統合した許可業種の設定では、缶詰・瓶詰食品製造業に「レトルト食品製造」を追加する。対象は、容器包装を密封した後に殺菌した食品としている。また、「HACCPに基づく衛生管理」を行う総菜製造施設で、食肉・菓子・あん類・麺類・魚介類なども製造可能な「統合型総菜製造業」を新設する方針を示した。
新たに導入する営業届出制度については、届出が不要な営業の考え方を示した。常温保存の容器包装入り食品、食品を直接取り扱わない輸入業や卸売業などを挙げた。
(写真:19日に開催された検討会の冒頭)