食中毒、昨年から歯止めかからず 病因菌はいずれもノロウイルス
東京都は16日、東村山市内のグループホームにおいて、入所者14人が食中毒を発症したと発表した。施設名は明らかにしていない。
14人が食中毒症状を発症したのは8日午後1時30分から8時ごろにかけて。14人がおう吐や下痢の症状を発症したとの通報が、翌9日午前9時30分ごろに多摩小平保健所に入った。
調査の結果、6日~7日にかけて患者らが食べた朝食または昼食が原因と認定。病因菌はノロウイルスだということが判明した。14人の内訳は91~97歳の男性3人、78歳~94歳の女性11人。入院した患者はいなかった。
都内では今年に入り、練馬区内にあるホテルの和食レストラン、上野公園で開かれたイベント会場と集団食中毒事案が相次いでいる。病原はいずれもノロウイルスによるもの。
ホテルカデンツァ東京(練馬区高松)では2日~5日にかけて、懐石料理を食べた11歳~90歳までの男女67人(男32人、女35人)が発症する大規模食中毒に発展。
上野公園で6日~8日にかけて牡蠣フェス実行委員会(広島市中区)が開催したイベント「牡蠣フェス」で、16~67歳の男女合わせて35人(男18人、女17人)がおう吐や下痢を訴える集団食中毒が発生しており、昨年から今年にかけて相次いでいる食中毒による健康被害に歯止めがかからない状況だ。
グループホームの名称がなぜ明らかになっていないのか?東京都は取材に対し、入所者個人が調理した料理で食中毒を起こした場合、責任はあくまで個人にあるためとしている。また、ホテルカデンツァが12日~14日まで営業停止処分を受けたのに対し、グループホームや牡蠣フェス実行委員会に対して処分が下されていない理由についても、「営業停止は対人・対物に対して行われるもの」とし、グループホームは複数の個人、上野公園で行われた牡蠣フェスはすでに「実体がないため」と説明した。
【田代 宏】