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佐野氏、高裁への訴え取り下げ 消費者庁による機能性表示食品検証資料の全面開示受け

 機能性表示食品をめぐる情報公開請求訴訟「行政文書不開示処分取消等請求事件」の原告であり、食の安全・監視市民委員会の共同代表を務める佐野真理子氏は、10月8日付の同委員会のメールマガジンで、高等裁判所への訴えを取り下げることを明らかにした。

 これは、消費者庁が9月9日に「機能性表示食品に係る機能性関与成分に関する検証事業報告書」(平成27年度)を全面開示したことを受けたもの。全面開示によって差し戻し審での請求対象がなくなったため、佐野氏は「訴えを取り下げることを決めた」と報告した。

最高裁で逆転勝訴、全面開示に至る

 同訴訟は、6月6日の最高裁判決で原告側が逆転勝訴を勝ち取り、東京高裁の非開示容認判決が棄却・差し戻しとなったものである。
 最高裁は消費者庁の非開示理由を「是認できない」と退け、5人の裁判官全員一致による判断を示した。これを受けて消費者庁は報告書を全面的に公開した。

 佐野氏は「交渉2年、裁判7年、計9年に及ぶ情報公開請求運動の成果」と強調し、「消費者庁は理不尽極まりない論理で非公開を主張してきたが、最高裁はそれを認めなかった」と指摘した。

「制度の廃止を含む抜本改革を」

 同氏は、公開資料を元に今後の方向性を示し、「裁判で得た公開資料を分析し、機能性表示食品制度の廃止を含む抜本的改革を提起していきたい」との考えを表明した。
 また、「開示された情報を消費者運動にどう活かしていくか、その課題を今後提起していきたい」として、運動の次なる展開を見据えた報告を行っている。

 さらに、4人の弁護団および多くの支援者に感謝の意を表し、「勝訴と全面開示の実現は消費者運動の歴史の中でも画期的な出来事である」と述べた。今回の全面開示をもって訴訟は終結するが、情報公開請求運動の成果を基礎に、制度の検証と改革に取り組む姿勢を明確にした。

【田代 宏】

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