除菌・消毒アルコール、不適切な効能効果うたう商品も~国センが商品テスト
(独)国民生活センターは17日、除菌・消毒・手指洗浄用アルコール商品を調べた結果、エタノール濃度について表示値を大幅に下回る商品は見られなかったとする商品テスト結果を発表した。一方、表示については、不適切な事例が確認された。
商品テストは7~8月に実施。インターネット通販やドラッグストアで販売される液体またはジェル状の30商品(医薬部外品3商品、化粧品18商品、雑品9商品)を対象とした。
エタノール濃度を分析した結果、医薬部外品の商品は全て80容量%(100mlに含まれるエタノール容量の割合)前後であることを確認。化粧品は20~70容量%台、雑品は50~70容量%台だった。また、濃度が表示されていた14商品を分析したところ、1商品を除き、表示値よりも1割以上低いものはなかった。その1商品も、2割以内の差にとどまっていた。
一方、製造販売元などのウェブサイトでは、化粧品の4商品について、化粧品で認められていない「消毒」や「殺菌」の表示が見つかった。既に厚生労働省や地方自治体により、指導が行われたという。
さらに、「火気厳禁」の表示が必要となる15商品のうち、1商品で記載がなかった。消防法上問題となるが、「現在は表示を修正して販売されている」(商品テスト部)。
同センターは事業者に対し、消防法上の危険物に該当する商品では「火気厳禁」などの表示を行うように要望。ウェブサイトに記載する効能効果についても、適切な表示を求めている。
消費者に向けては、有効性・安全性が確認された「医薬品」や「医薬部外品」の使用を推奨。これらが入手できず、除菌商品を選択する場合には、60容量%以上のエタノールを含む商品を使用するようにアドバイスしている。
同センターによると、これらの商品に関する消費者相談件数は、昨年12月以降の約8カ月間で689件に上る。「商品にアルコール濃度の表示がない」、「濃度が表示されているが本当だろうか」といった相談が寄せられている。
(写真:17日に行われた記者発表)