錠剤の飲みやすさの評価方法を開発~東洋新薬・東大など
(株)東洋新薬(福岡市博多区、服部利光社長)は28日、東京大学と産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センターとの共同研究により、ヒトを介さない錠剤の飲みやすさを評価する新たな方法を開発したと発表した。
ヒトを被験者とせずに錠剤の飲みやすさを評価するため、錠剤を飲み込む際に喉で感じる抵抗や違和感を模擬したモデル試験を開発。モデル試験では、錠剤と底面に敷いた樹脂製のシートの間に発生する滑り摩擦力を測定対象とした。
その評価方法を用いて、錠径9mm・曲率半径7.5mm・錠厚4.5mmの錠剤を基準サイズとして、形状の異なる各錠剤と同社の『イージータブ』のせん断応力を測定。その結果、基準の錠剤と比べて、曲率半径大、錠厚大の錠剤ではせん断応力が増加することを確認した。また、錠厚大の錠剤では、同サイズの通常錠剤と比べて、『イージータブ』のせん断応力が低減することも確認したという。
さらに、ヒトを介した錠剤の飲みやすさ評価の結果を比較するため、健常者6人を対象にVAS(Visual Analog Scale)による官能評価を実施。その結果、基準の錠剤と比べて、曲率半径大、錠厚大の錠剤は飲みにくいことが確認された。『イージータブ』が同サイズの通常錠剤に比べて、飲みやすいことも確認したと報告している。