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金秀バイオ、沖縄県産健康食品素材で差別化 【周年記念商品&企業2023】ナノ化製造ラインの増強計画も

 金秀バイオ㈱(沖縄県糸満市、宮城幹夫社長)は、沖縄を拠点に健康食品の原材料から最終商品の製造販売まで手掛ける。主力商品はオキナモズク由来フコイダン。その販路は国内にとどまらずアジアや欧米にも広がる。大学・医療機関との共同研究により、新素材の開発とエビデンスの構築、特許取得なども精力的に進めている。

1988年に設立 沖縄県の経済振興に貢献

 同社は、1988年9月、沖縄の基幹作物さとうきびの製糖副産物・バガスの活用を図り、沖縄県経済振興に役立てることを目的とした㈱沖縄発酵化学として発足した。今年35周年を迎える。91年4月に、金秀グループの一員として新しくスタートし、2006年5月現在の社名に変更した。
 98年6月に、沖縄産モズクから「フコイダン」を抽出することに成功。自社工場は、沖縄県でいち早く、2002年4月にISO9001、03年11月にISO9001-HACCPの認証を取得した。06年1月にはISO22000認証、さらに、11年6月にJHNFA-GMP認証を取得し、安全管理に配慮した一貫製造体制を完備している。 
 主力の「オキナワモズク由来フコイダン」は17年7月に、(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA)のJHFA規格基準に設定された。同品は、沖縄県が全国の95%以上の生産量を占めるオキナワモズクから抽出したフコイダン。沖縄のサンゴ礁に囲まれたイノー(礁池)で生育するオキナワモズクは、世界的に見ても琉球諸島でしか採れない貴重な海藻。独自の製法によりフコイダンを抽出し、粉末化している。今後、海外、特に未開拓の国々への拡販を図るとしている。

自社工場で培養 パウダー化も

 同社は一昨年、自社工場内で微細藻類の培養を開始した。培養しているのはオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を含有するナンノクロロプシスとラビリンチュラ。沖縄県をはじめ、東京工業大学、宮崎大学の協力の下、培養技術を確立し、設備投資も実施した、それぞれパウダー化も自社工場内で行う。
 微細藻類の培養を手掛けるのは初めてで、オキナワモズク由来フコイダンに次ぐ柱商材を創出する目的で微細藻類の事業化に着手、およそ6年の歳月を費やしかたちにした。
 藻体をまるごとパウダー化するラビリンチュラについては、昨年、原料販売を本格化。今後、OEM供給にも注力する。また、フコイダンやラビンチュラ、ナンノクロロプシス、クロレラ、その他藻類原料を組み合わせたNB製品を、4月に上市する予定だという。
 その他にも同社では、秋ウコン、紫ウコン、春ウコンも提供している。いずれも沖縄県産で無農薬栽培されている。クワンソウやノニ、シークワーサー、ゴーヤーなど、沖縄ならではの地域性や独自性などを生かした素材・原料の提案、これらの加工製造に加え、特許技術による独自の商品展開を行う。
 また、同社が提案するナノカプセル関連製品原料が、国内・海外ともに好調に推移している。その需要に応えるため同社では、ナノ化の製造ライン(乳化処理設備、噴霧乾燥機)を増強する設備投資計画を、今年から来年にかけて推進している。

長命草の機能性に着目 地域振興にも貢献

 同社では、与那国島産の長命草(ボタンボウフウ)の抽出物(エキス末)を開発。昨年4月に同素材を配合した自社ブランドのサプリメントの販売を開始した。
 同抽出物は、長命草にわずかに含まれるポリフェノールの一種、ジヒドロピラノクマリン類(プテリキシン、インサミジン)をターゲットに抽出、精製したもの。今後、ジヒドロピラノクマリン類を配合した健康食品のOEMを展開する予定。原材料販売も視野に入れている。

<COMPANY INFORMATION>
所在地:沖縄県糸満市西崎町5-2-2(本社)
TEL:098-994-1001
URL:https://www.kanehide-bio.co.jp
事業内容:健康食品の製造・販売とOEM受託製造

(冒頭の写真:同社提供)

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