酒で顔が赤くなる男性、高いがんリスク
(国研)国立がん研究センターの社会と健康研究センターは16日、コホート研究により、フラッシング反応(飲酒時に顔が赤くなる反応)を起こしやすい男性の場合、飲酒によるがん罹患リスクが高いことがわかったと発表した。
1993年に全国6地域に在住していた40~69歳の男女約5万7,000人を対象に、2013年まで追跡して調べた。飲酒量によって男性は7グループ、女性は5グループに分類。自己申告によるフラッシング反応のあり・なし別に、各グループとその後のがん罹患との関係を検討した。
追跡期間中に8,486人が、がんに罹患。そのうち4,386人が、飲酒に関連するがん(口腔がん・咽喉頭がん・食道がん・胃がん・大腸がん・肝臓がん・乳がん)に罹患した。
フラッシング反応のない男性の場合、酒を飲まない人と比較して、週450g以上の大量飲酒でがんリスクが高くなった。フラッシング反応のある酒に弱い体質の人では、少量の飲酒量でも飲酒関連がんのリスクが高くなることがわかった。
女性の場合、全体で見ると、週150g以上の飲酒で飲酒関連がんのリスクが高くなった。一方、フラッシング反応の有無で分けた場合、がん全体、飲酒関連がんともに、罹患リスクとの関連は見られなかったと報告している。