連載・美容食品素材の今(4)
パイナップル由来セラミド 届出多い理由は?
美容領域の機能性表示食品の機能性関与成分として、現在、届出件数が最も多いのがグルコシルセラミドである。「植物セラミド」とも呼ばれるもので、届出件数は今年1月中旬時点で130件余り。その中でも最多はパイナップル由来グルコシルセラミド。60件超とおよそ半数を占める。
同成分の届出サポートを展開しているのが、植物抽出物メーカーの丸善製薬㈱(広島県尾道市、日暮泰広社長)。「ブライトニングパイン」(同社の登録商標)をブランド名にしたパイナップル果実抽出物の製造および原材料販売を手掛けている。
丸善製薬の届出サポートを通じて可能なヘルスクレームは、「肌の潤い(水分)を逃がしにくくする機能があることが報告されています。肌が乾燥しがちな人に適しています」。研究レビューは同社で実施した。同社製パイナップル果実抽出物を使ったRCT(ランダム化比較試験)論文を科学的根拠にしている。
由来が複数ある中で、パイナップルの届出件数が頭一つ抜けているのはなぜか。
理由として考えられるのは、果実由来であることを背景にした消費者イメージの良さだ。美容と果実は相性が良い。また、届出サポート体制の影響も考えられる。同社では、最終製品における機能性関与成分の分析も含めてサポートに当たる。同社製の機能性関与成分は、グルコシルセラミド以外でも届出が大きく伸びている。届出支援の充実がそれにつながっている可能性がある。
(つづく)
【石川 太郎】