送料無料表示の見直し取組事例を公開 消費者庁、引き続き事例を募集する
消費者庁は4日、「送料無料」表示の見直し取組事例をホームページに公開した。5月時点で同庁が把握している主な取組事例を掲載した。
(公社)日本通信販売協会(粟野光章会長/JADMA))は、団体作成の「物流の適正化・生産性向上に向けた自主行動計画」の中に、「『送料無料』表示の見直しや、表示する理由や仕組みを説明することに努めます」という取り組みを盛り込んだ。アマゾンジャパン(合同)(東京都目黒区)は、通販サイトのトップページ上のリンク先である企業情報サイトに、持続可能な配送を目指した取組内容の紹介コンテンツを新たに追加した。「送料を無料とする仕組みについて説明を加え、持続可能な配送を目指した取り組みを紹介、また、SNSなどでも同サイトの周知を図っている。
LINEヤフー㈱(東京都千代田区、出澤剛社長)は、オンラインモールの商品検索結果に表示される「表示情報について」をクリックすると、「送料無料=表示価格に送料が含まれる商品」との説明を表示した。「置き配」が環境配慮などにつながることのPRサイトを、異なる複数のモールで展開すると同時に、SNSでも同サイトの周知を図っている。楽天グループ㈱(東京都世田谷区、三木谷浩史社長)・楽天市場は、オンラインモールのトップページ上のリンク先である消費者に配送負荷の軽減のための行動を促すページに、「送料無料表示について」のコンテンツを新たに追加。「送料を無料とする仕組み」について図表を用いて説明を加えると同時に、物流の持続可能性に関する取り組みを紹介している。
㈱ファンケル(神奈川県横浜市、島田和幸社長)は、送料無料の表記を「送料はファンケル負担」又は「送料当社負担」に今年5月から順次切り替え、送料や物流に対する消費者理解に努めている。「置き配」、「おまとめ配送」にポイントを付与するなどの取り組みを行い、配達回数削減にも努めている。
昨年6月、「物流革新に向けた政策パッケージ」(令和5年6月2日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議)において「送料無料」表示の見直しに取り組むことが取りまとめられた。これを受け同庁では、「送料無料」表示に関する実態や見直しによる影響などを把握するため運送事業者、荷主事業者やその団体、消費者団体などと意見交換会を実施。意見交換会は6月から11月まで計9回開催され、12月に同庁では、「送料無料」表示についての法規制を見送り、通販事業者らに表示を自主的に見直すよう求めていた。
【藤田 勇一】