農水省、地理的表示違反で措置命令 「但馬牛」を標ぼうする竹田屋(兵庫)に表示の除去命じる
農林水産省はきのう21日、㈲竹田屋(兵庫県朝来市、須磨克英社長)が経営する飲食店で、客に提供する料理において地理的表示である「但馬牛」、またはこれに類似する「但馬和牛」などの表示を不正に使用していたとして、同社に対して地理的表示法第5条の規定に基づき措置命令を行った。
農水省近畿農政局は7月~10月までの間、法34条第1項の規定に基づき、立ち入り検査を実施し、不正使用を確認していた。今回の措置により、使用している全ての広告、価格表、取引書類などにおいて、直ちに表示の点検を行い、使用した地理的表示の除去・抹消、原因の究明・分析の徹底、再発防止策の実施などを命じた。
地理的表示(GI)保護制度は、その地域ならではの自然や歴史・文化・風習の中で育まれてきた品質や社会的評価などを持つ農林水産物・食品の名称を地域の知的財産として保護する制度。
GI登録によって、GI産品の名称使用の独占が可能となり、その名称の不正な使用に対しては、農林水産省が取締りを行う。
同制度は2015年6月に始まり、これまでに119産品が登録されている。但馬牛は登録産品としては2番目の表示。他によく知られたものでは「近江牛」、「夕張メロン」、「鹿児島の壺造り黒酢」などがある。
21日、山口県下関市の水産物販売会社が北朝鮮産のシジミを国内産と偽って卸売業者に納品したとして、山口県警など不正競争防止法違反の疑いで捜索に入ったという報道が一部で行われている。シジミは、青森県の「十三湖産大和しじみ」が23番目のGIとして登録されている。