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農水省、地球温暖化の影響を調査 「地球温暖化影響調査レポート」公表

 農林水産省は、全国の農業生産現場での地球温暖化の影響を調査した。昨年1月~12月にかけて実施し、9月30日に「令和5年 地球温暖化影響調査レポート」としてまとめ、結果を公表した。

 同調査は、気候変動によって与えられる農業への影響を詳細に調べ、それに応じて適応するための方策を提案することが目的。
 具体的には、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告や、地方のデータと連携し、温暖化の影響の把握、適応計画の策定、情報提供による温暖化に関する知識の普及などを目指している。

 レポートによると、年平均気温は全国的に高く、特に北・東・西日本で記録的な高温となった。秋は西日本太平洋側で記録的な少雨多照となった。

 観測史上最も高い年平均気温を記録したことで、全国的に高温による農作物の生育障害が多発した。
特に、水稲や果樹(りんご、ぶどう、うんしゅうみかん)、野菜(トマト、いちご)、花き(きく)などに関して、高温や乾燥、少雨による生育障害、品質低下が報告されている。

 家畜では、肉用牛、豚において、高温により「繁殖成績の低下」、「増体・肉質の低下」 、「斃死」の発生がもたらされた。採卵鶏では、「産卵率・卵重の低下」による影響、肉用鶏では、「増体・肉質の低下」が見られた。

 農林水産省は、「農林水産省気候変動適応計画」と「農林水産省対策地球温暖化」を計画し、温暖地球化の防止と農業への影響対策を一体的に推進している。計画に沿って、高温耐性品種の導入、水管理の徹底、適期移植・収穫などの適応策が提案されている。

 また、全国47都道府県からのデータ提供と協力により、地域ごとの適応策の実施状況や普及状況も報告されている。このような情報の提供と政策推進により、農業生産者や行政関係者が気候変動に適応するための具体的な行動を取ることが促進される。

 今後、温暖地球化が進行する中で、農業における影響はさらに大きくなる可能性が高く、持続可能な農業生産体系への変革が求められている。

(冒頭の写真:農水省の発表資料より加工転載)

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