農林水産物・食品の輸出額が過去最高額 農水省、「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」を公表
農林水産省はこのほど、「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」を取りまとめ、発表した。
それによると、2022年の農林水産物・食品の輸出額は、過去最高の1兆4,148億円となり、2021年比14.3%、1,766億円増となった。また、2022年12月の農林水産物・食品の輸出額は、単月で過去最高の1,308億円となった。
多くの国・地域で、外食向けがコロナによる落込みから回復したこと、小売店向けやEC販売などの販路への販売が引き続き堅調だったことなどに加えて、円安による海外市場での競争環境の改善も追い風となった。品目別の輸出額では、水産物は中国、米国向け、アルコール飲料は中国向け、青果物は香港、台湾向け、牛乳・乳製品はベトナム向けの伸びが大きい。また、香港向けが上半期を中心にコロナによる外食規制、欧米向けが下半期からインフレによる消費減退の影響を受けた。さらに、日本政府が政府一体で進めてきた輸出拡大の取組(輸出支援プラットフォームの設立、水産加工施設などの整備など)も、輸出を後押ししたとしている。
農産物、林産物、水産物、少額貨物それぞれの実績は、農産物が8,870億円(対前年比10.3%増)、林産物が638億円(同11.9%増)、水産物が3,873億円(同28.5%増)、少額貨物が767億円(同1.5%増)だった。
また、輸出先は、1位が中国、2位が香港、3位が米国となった。
同省では2025年2兆円、2030年5兆円目標に向け、生産から輸出までの各段階の取組強化、輸出先国の規制への対応強化、輸出先国向けの海外販売戦略の強化、輸出拡大に資するニュービジネスの推進を強力に進めている。
20年11月、「農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議(関係閣僚会議)」で取りまとめた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」を昨年12月に改訂し、国際基準に合わせるために食品表示ルールの改正も視野に入れている。