資生堂、中国市場での存在感を高める 中国の形成外科学術機関とパートナーシップを締結
㈱資生堂(東京都中央区、魚谷雅彦社長)はこのほど、資生堂中国投資有限公司(以下、 資生堂中国)を通じて、三級甲等病院(中国の病院分級管理法規により、最高レベルに分類されている病院)である上海第九人民医院(Shanghai Ninth People’s Hospital/以下、上海九院)とパートナーシップを締結すると発表した。
同社では、中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」における中国地域の主要な戦略の1つ「新領域開発」の実現に向け、形成外科領域の権威である上海九院とのパートナーシップにより、メディカルビューティー領域の開発を目指す。
上海九院の形成外科部門は、中国の形成外科の学術機関。資生堂は100年以上にわたり、スキンビューティーを軸に研究開発を行ってきた。両者のパートナーシップにより、上海九院の先進的なメディカルビューティー技術と豊富な臨床経験が、資生堂の最先端の肌研究の知見と組み合わされ、より革新的な商品とサービスを中国の消費者に提供できるという。
近年、資生堂中国は、中国現地でのイノベーションを加速するため、2019年に中国現地の市場動向をとらえた新たな価値創造と新規事業開発の推進拠点として、「中国事業創新投資室(China Business Innovation & Investment Office)」を設立し、翌20年に中国・上海奉賢区の美容・健康産業特区「東方美谷(The Oriental Beauty Valley)」に研究開発の拠点を開設した。さらに、21年に新興企業に投資する「資悦ファンド」を設立し、第1号の投資案件として、22年に医療および化粧品向け遺伝子組換えコラーゲンの製造・販売会社「江蘇創健医療科技有限公司(Jiangsu Trautec Medical Technology Co., Ltd.)」への投資を発表した。
同社では、引き続き中国現地でのイノベーションを推進することで、中国消費者のニーズに合わせた商品とサービスをタイムリーに提供することを目指すと同時に、現地パートナーとの連携により中国市場でのプレセンスをさらに高めていくとしている。