認知機能の新成分「ナトリード」公開 【機能性表示食品届出更新】第一工業製薬が初の届出
認知機能領域の機能性表示食品の機能性関与成分について、新規成分に関する届出があり、消費者庁が8日公開した。新たに届出されたのは「ナトリード」と名付けられた、カイコハナサナギタケ(冬虫夏草)粉末に含まれる環状ペプチドの一種で、化学品メーカーの第一工業製薬㈱(京都市下京区)が届け出た。同社は2018年にライフサイエンス事業に参入し、健康食品などのヘルスケア分野に進出していた。
消費者庁は8日、機能性表示食品の届出情報公開データベースの更新を実施。今回が初の届出となる第一工業製薬からの届出を含む新規届出13件(届出番号H938からH950まで。サプリメント10件、それ以外の加工食品3件)を公開した。
第一工業製薬は、『快脳冬虫夏草』を商品名にしたサプリメントを届け出た。届出表示(ヘルスクレーム)の全文は次のとおり。
「本品にはナトリードが含まれます。ナトリードには、人の顔や物を置いた場所、戸締りをしたことを覚えておくなど、中高年の方の認知機能の一部である視覚的な記憶力を維持するのに役立つ機能が報告されています。 ※視覚的な記憶力とは、図形を認識し、記憶し、それを後から呼び起こす力であり、図形や空間的表現の処理能力のことをいいます。 また、中高年の方の認知機能の一部である認知機能速度(視覚情報を素早く正確に判断して適切な行動につなげる力)を維持するのに役立つ機能が報告されています」。
同社は原材料販売も手がける。今回の届出公開をテコに、ナトリードの需要拡大に向けた動きを本格化させることになりそうだ。
8日に公開された新規届出の概要は下の一覧のとおり。この日も取り下げに関する情報更新があった。「終売」のため、2017年6月に届け出ていたサプリメント(イチョウ葉由来関与成分配合)の届出を森川健康堂㈱(熊本県上益城郡)が取り下げたという。
【石川 太郎】