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許可件数の減少に歯止めかからず、トクホ市場調査終焉へ

(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA/矢島鉄也理事長)は7月30日、1997年から15回にわたって実施してきた「特定保健用食品(トクホ)市場規模調査」を今回限りで打ち切ると発表した。
 今回(2020年度)の新規許可品目数は前年より21品目少ない11品目に留まり、事業者のトクホ離れに歯止めがかからない実情を露呈した。制度創設当初の1993年(13品目)、94年(10品目)に並ぶ低水準を示した。

 市場規模も5,610億円(前年比86.4%)と2011年以降9年ぶりに6,000億円を割り込んだ。今回の調査は新型コロナ下に行われたため、販売経路などをはじめとしたデータの一部については、従前どおりに参考にできない項目があるとも推測される。
 それでも、制度創設時(2015年度)に届出件数が272件に過ぎなかった機能性表示食品が今年7月19日現在で3,747件(撤回除く)と伸長したのに対し、2015年度に1,238件許可されていたトクホは1,075件とむしろ下降線をたどっている。

 JHNFAは、昨年1月から今年3月まで3度開かれた「疾病リスク低減表示トクホ検討会」で示された「トクホ制度全般について検討されることを期待する」とする消費者庁がまとめた報告書を理由に、市場調査を終了するとしたが、これはむしろ、トクホ制度のあり方を根本的に見直す必要を否応なく迫られている状況と言うことができる。

 疾病リスク低減表示トクホについては、今年中を期限として消費者庁による調査がすでに開始されている。同庁はこの結果次第で、トクホ検討会設置の有無を決定するとしているが、国の許可制度として唯一無二のトクホ制度をめぐる問題について、トクホ単独の問題としてではなく、我が国における健康食品行政全体の問題としてとらえ返す必要があるのかもしれない。

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