藤茶エキス、論文掲載へ 『Molecules』に ダイエット機能めぐる基礎研究
オリザ油化が昨年発売した新素材
オリザ油化㈱(愛知県一宮市、村井弘道社長)が昨年発売した健康食品向け原材料「藤茶エキス」に、脂質の吸収抑制、代謝および分解促進といった機能性のあることが、同社が実施した細胞および動物を使った研究で示唆され、研究結果をまとめた論文が近く、海外学術誌『Molecules』に掲載されることになった。
同社が1月31日発表した。今回の研究成果を基礎データとし、藤茶エキスを今後、機能性表示食品対応素材に発展させていきたい考えを示している。
藤茶は、ブドウ科ノブドウ属の植物。同社によれば、機能性成分としてアンペロプシンに代表されるフラボノイド類を多く含む一方で、他のお茶と比べてカフェインは少ないなどといった特徴がある。中国・貴州の少数民族が600年以上前から飲用していたとされる。
同社の発表によると、今回、論文をまとめた研究では、藤茶エキスのダイエット機能を動物(マウス)の他、抗肥満機能を評価する実験で一般的に用いられる3T3-L1脂肪細胞などを使い、検証した。
その結果、動物試験では、高脂肪食で飼育したマウスに藤茶エキスを与えたところ、与えなかったマウスと比べて体重、肝臓重量、内臓脂肪の増加が顕著に抑制された。細胞試験では、脂肪の蓄積を抑えたり、分解させたりするなどの働きを確認できたという。
『Molecules』に掲載される論文のタイトルは、「The Anti-Adiposity Mechanisms of Ampelopsin and Vine Tea Extract in High Fat Diet and Alcohol-Induced Fatty Liver Mouse Models」。脂肪だけでなくアルコールによる肥満及び肝機能へのダメージを抑える働きを見出したことを、作用メカニズムも含めて報告する。
(冒頭の画像:藤茶エキスの原料となる藤茶葉。オリザ油化のニュースリリースより)