花王とライオンが「スマート物流」で協働~生産性向上とCO2削減に取り組む
花王㈱(東京都中央区、澤田道隆社長)とライオン㈱(東京都墨田区、掬川正純社長)はこのほど、サプライチェーン全体の最適化を目指して両社拠点間の往復輸送を行う、「スマート物流サービス」を開始した。同事業は、内閣府が新たな物流基盤の構築に向けて推進している、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)。
この取り組みでは、研究代表機関として(公財)流通経済研究所が、参加した日用消費財メーカーが提供する物流拠点間の輸送実績データに基づき、各社の片道輸送を組み合わせた往復輸送への可能性を提案。
その報告を受けて、花王とライオンは、花王の川崎工場(神奈川県川崎市)から坂出ロジスティクスセンター(香川県坂出市)間の輸送と、ライオンのライオンケミカル坂出工場(香川県坂出市)から埼玉県加須市・千葉県柏市・神奈川県相模原市にある各流通センターへの輸送を結合して往復輸送とし、トラック輸送の生産性向上とCO2排出の削減を目指す。
両社は、物量や積載量、輸送ルート・頻度などを検討し、運送事業者との情報共有・調整、輸送テストを実施して、今年10月27日から定期輸送を開始した。この取り組みによって、従来の輸送方法と比較して、トラックの空車走行距離を短縮し、両社合計でCO2排出量の45%、輸送費用の23%削減を見込むという。