花王、欧州の香料事業を強化 合成香料生産設備をスペインに増設
花王㈱(東京都中央区、長谷部佳宏社長)はこのほど、合成香料「Methyl DihydroJasmonate (メチル ジヒドロ ジャスモネート/以下MDJ)」の欧州市場のシェア維持・拡大に向けて、スペインのKao Chemicals Europe オレッサ工場に生産設備を増設すると発表した。
MDJは、優雅でみずみずしいフローラル(ジャスミン)の香りを付与し、幅広くコンシューマープロダクツ製品に使用される基幹香料原料。同社では、他素材との親和性が高いため、幅広い製品に使用されており、最大の市場である欧州の需要が堅調で、グローバル年平均成長率を4%と見込んでいる。
同社は2001年からスペインでMDJを生産している。新設備の生産能力は、既存の倍以上を見込んでおり、22年12月完成、23年初めの稼働を予定している。
新設備には、独自開発技術の製造法を採用し、生産性向上とCO2排出量の年間2,000トン削減、塩分を含む排水の100%(年間850トン)削減による排水処理エネルギーの低減などを実現している。同社では、欧州のエシカルな動向や環境規制への対応が可能な高い技術と安定供給能力により、さらなる事業の強化をめざす。