花王、店頭支援巡回計画を自動化
花王㈱(東京都中央区、長谷部佳宏社長)はこのほど、販売店巡回の計画を自動立案するシステムの本格運用を開始したと発表した。
同システムは、㈱日立製作所(東京都千代田区、小島啓二社長)のAIと数理最適化技術を活用し、コンシューマープロダクツ製品の店頭支援を担う花王フィールドマーケティング㈱による、業務能率化による活動生産性の向上を目的に開発された。
花王フィールドマーケティングでは、販売店の店頭支援を行う約2,000人の担当者(マーチャンダイザー)が、全国の販売店を巡回し、消費者ニーズに対応した、買い求めやすく販売店の売上にも貢献できる売場提案や、店舗改装の支援、新店舗の陳列など売場づくりの活動を行っている。
同活動はこれまで、全国約60のエリアごとに、販売店の要望や作業希望日、マーチャンダイザーの勤務予定・業務計画、技術・適性、自宅や訪問先各店舗間の移動時間など、多岐にわたる制約条件を考慮して、計画担当者が経験をもとに手作業で時間をかけて巡回計画を作成していた。
同社は今回、業務のプロセスを定式化・デジタル化し、統一したルールでより最適な計画を自動的に立案することで、計画業務の時間・コスト削減と、店頭支援活動の能率化・業務平準化の実現をめざして、日立のLumada ソリューションである「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」)を導入した。
同サービスにより、これまで多くの制約条件を考慮して時間をかけて作成していた計画の最適化を、高速に自動で導くことができ、また業務要件の変化に応じた追加学習や、計画の履歴情報から特徴を学習させることにより、さらに効果的な計画に進化させることが可能となる。同社では、「年間数万時間を要していた計画業務を半減できると見込んでおり、より創造的な提案活動に取り組むことで、業務能率化による活動生産性の向上をめざす」としている。