花王、リサイクル実証実験の進捗を公表
花王㈱(東京都中央区、長谷部佳宏社長)は9日、使用済みつめかえパックの分別回収実証実験の回収状況を発表した。同実験は、ライオン㈱(東京都墨田区、掬川正純社長)とイトーヨーカドー曳舟店(東京都墨田区)との協働で行われている。
2020年10月30日から21年6月15日までの期間で、フィルム容器約5,200枚を回収した。これは計画の約2倍の回収量という。
同社では、さらなる回収拡大に向けての課題として、より多くの人に回収について知ってもらい参加してもらうための啓発活動、効率的なリサイクルのための、フィルム容器を事前に洗浄・乾燥してもらうことを知らせる活動、フィルム容器以外のものが混入しないような働きかけとしくみの検討を上げている。
今後の取り組みとして、同活動で回収したフィルム容器を、同社の和歌山工場(和歌山県和歌山市)に設置したパイロットプラントで再生処理し、協働してリサイクル技術の開発・検証をすすめる。また、家庭から出る廃プラスチックの分別回収とリサイクルの状況・課題を調査し、効果的な分別回収のプロセスや、リサイクルしやすい包装容器の設計などを検討して、リサイクル率の向上と水平リサイクルの実現をめざすとしている。