花王、ライフケア事業が前期比1.7%増
2021年12月期決算
花王㈱(東京都中央区、長谷部佳宏社長)はこのほど、2021年12月期決算短信(21年1月1日~12月31日)を発表した。売上高は対前期比2.7%増の1兆4,187億6,800万円、営業利益は同18.3%減の1,435億1,000万円だった。
セグメント別では、ヘルス&ビューティケア事業が、売上高は同2.2%減の3,545億円、営業利益は同108億減の605億円だった。ライフケア事業が、売上高は同1.7%増の530億円、営業利益は同11億円減の36億円。業務用衛生製品は、日本では、衛生管理や感染症対策が特に必要な医療関連施設や飲食店などで、手指消毒液などの継続的な需要があったが、外出・移動制限や飲食店などの休業要請・時短営業が大きく影響した。米州では顧客への取扱量の拡大や対象業界の景気回復で、前期を大きく上回った。
健康飲料は、特定保健用食品『ヘルシア』が、巣ごもり需要を背景にEコマースで売上を伸ばしたが、度重なる緊急事態宣言の延長などにより市場が縮小し、売上は前期に比べて減少した。
化粧品事業は、売上高は同2.5%増の2,393億円、営業利益は同51億円増で75億円となった。日本では、構造改革を強力に推進する中、オンラインカウンセリングや自社運営のEコマースの始動など顧客とブランドとの絆づくりに注力した。また、コロナ禍でマスクの着用が常態化している生活の中での新提案やさまざまなデジタル施策によって、「KATE」がメイクブランドでトップシェアを獲得するなどヒット商品も誕生させたが、インバウンド需要の消滅や繰り返す緊急事態宣言などのより市場回復が遅れた影響を大きく受けた。
アジアでは、中国で『フリープラス』、『キュレル』がEコマースを中心に引き続き好調に推移したほか、海南島での免税取引を開始するなど、プレステージ化粧品の展開を本格的に始動させた。また欧州では、OMO(Online Merges with Offline)の推進により、『モルトンブラウン』や『SENSAI』の売上が大きく伸長した。