花王、ライフケア事業が前年同期比6.6%増
花王㈱(東京都中央区、長谷部佳宏社長)はこのほど、2021年12月期第3四半期(21年1月1日~9月30日)決算を発表した。売上高は対前期比1.6%増の1兆209億5,900万円、営業利益は同9.2%減の1,089億9,400万円だった。
セグメント別では、ライフケア事業が、売上高は同1.4%増の381億円、営業利益は同7億円減の25億円だった。業務用衛生製品は、日本では上期、衛生管理や感染症対策が特に必要な医療関連施設や飲食店などで、手指消毒液などの継続的な需要があったが、下期に入り緊急事態宣言が継続され、外出・移動制限や、飲食店などの休業要請・時短営業が大きく影響した。米州では顧客シェアの拡大や対象業界の景気回復で、売り上げは前年同期を大きく上回った。
健康飲料は、特定保健用食品『ヘルシア』が、巣ごもり需要を背景にEコマースで売り上げを伸ばしたが、度重なる緊急事態宣言の延長などにより市場が縮小し、売り上げは前年同期に比べて減少した。
化粧品事業は、売上高は同3.5%増の1,659億円、営業利益は同74億円増で1億円となった。日本の売上はインバウンド需要の減少や緊急事態宣言継続などによる市場回復の遅れにより、特にメイクブランドが苦戦し前年同期を下回ったが、コロナ禍でのマスク生活の新提案や、さまざまなデジタル施策によってヒット商品が誕生し、売り上げは回復傾向にある。アジアでは、中国で『フリープラス』、『キュレル』がEコマースを中心に引き続き好調に推移し、売り上げは伸長した。また欧州では、ロックダウンの緩和により市場が回復傾向にあることに加えて、Eコマースの強化により売り上げは伸長した。