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自然に負荷を与える製品は作らない 【周年特集2024】シー・アクト、設立10周年 

 天然資源を有効利用する目的でヘルスケア用途の機能性素材を研究開発、そして製造販売する㈱シー・アクト(坪井誠社長)は今年4月、設立10周年を迎えた。とはいえ、事業活動を本格化させたのは2021年以降と実質的には新興企業だ。「小胞体ストレス低減」という、従来にないコンセプトをかたちにした天然物由来の機能性素材をもって、機能性食品とスキンケア化粧品の両市場に参入。事業活動を本格化させることになった。

企業理念が生んだペンタデシル含有オーラン油

 同社の歴史は2014年に始まる。DHAを多く含むことで知られる微細藻類、オーランチオキトリウムの商業利用を目指すバイオベンチャー企業として立ち上がった。茨城県つくば市内に研究所を置き、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に参画。そして同プログラムが終了した16年、それまでも協業関係にあった、有機溶剤のリサイクルなど環境事業を手がけるリファインホールディング㈱(旧・日本リファイン㈱)の完全子会社になった。

 その後18年、植物抽出物メーカーなどで健康食品や化粧品の素材開発や機能性研究に長年取り組んできた現社長の坪井誠氏を迎え入れ、オーランチオキトリウムを活用したヘルスケア製品の実用化に向けた取り組みを加速させていく。

 同社のウェブサイトを見ると、製品情報のページには、食品から化粧品まで20を超える原材料がずらりと並ぶ。坪井氏の社長就任後、製品開発のペースが一気に高まり、ラインアップを短期間のうちに増やしていった。「全ての製品を載せているわけではありません。実際は30以上。一部ですが、他社が開発した製品について、当社で研究を行うなどして付加価値を高め、共同販売している製品もあります」(岩崎洋・営業部課長)。

小胞体ストレス軽減掲げて市場参入

 そのように数ある製品群の中で主力製品は何か。「ペンタデシル含有オーラン油」である。小胞体ストレス低減機能を有することを細胞・動物・ヒトの各試験で確認し、同機能を訴求している素材がそれだ。ペンタデシル(ペンタデカン酸脂質)を多く含む特定のオーランチオキトリウムの菌株を「30万分の1の確率」で自然界から見出し、最適な培養条件でペンタデシルを高含有する微細藻類油の生産に成功したという。これを受け、21年までに精製ペンタデシルを作り出し、化粧品用の原材料として発売。翌22年からは、機能性食品向けの原材料としてペンタデシル含有オーラン油の販売を開始した。

自然も健康も持続可能、そんな製品を作り出す

 今年以降、ペンタデシル含有オーラン油を機能性表示食品市場にも提案していく計画。一般健康食品の分野ではすでに採用が進んでいるが、ヘルスクレームを可能にすることで需要拡大を図る。まずは肌に対する機能、次に、血糖値をケアする働きを訴求できるようにする。その後、これまでの研究で示唆されているアイケア機能や抗疲労機能などについて科学的根拠を積み上げ、ヘルスクレームに落とし込んでいきたい考えだ。

 ユニークな新しいモノを作っている勢いのある会社──同社をそう評価する声があるという。一方、坪井社長はこう話す。

 「シー・アクトが何をやろうとしているかというと、自然に負荷を与えない製品を作る、それ以外の製品は作らない、ということです。天然資源をそのまま有効利用し、そのまま自然に返す。そのように持続可能性があり、かつ、人の健康や生活をより良く改善できる製品の研究開発を行っています。実際に、そうした製品を作り出していることを知ってもらえると嬉しいです」

【石川 太郎】

(文中の写真:昨年8月にリニューアルした東京本社内のコミュニケーションスペース。内装には再資源化素材をふんだんに取り入れているという。同社提供)

<COMPANY INFORMATION>
所在地:東京都千代田区丸の内2-2-1岸本ビル11F
TEL:03-6268-0040
URL:https://www.seaact.com/
事業内容:天然資源を利用した化粧品素材・健康食品素材開発及び製造販

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