紫茶エキスの運動機能向上作用を確認
オリザ油化(株)(愛知県一宮市、村井弘道社長)は、「紫茶エキスの運動機能向上作用」をランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験によって確認した。試験はDr.Hector Lopez監修の下、米国の臨床機関THE CENTER FOR APPLIED HEALTH SCIENCES(CAHS社)で実施。研究成果が「Journal of Exercise and Nutrition 」誌に掲載された。
【目的】
これまで見出してきた「紫茶エキスの筋肉量や筋肉の増強に関係するAMPK を活性化する作用、血管内皮からのNO(一酸化窒素)の産生を促進する作用」に加えて、今回、 実際に紫茶エキスを経口摂取することによる運動パフォーマンス、 運動後の疲労回復及び筋肉に与える影響について確認した。
【方法】
週に1~2回、ジムで運動を行っているBMI25~35の男性30人を被験者とし、ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した。対象者をランダムに2群に分け、プラセボまたは紫茶エキス1日当たり100 mgを含む食品のいずれかを摂取。各食品を8日間連続摂取し、2週間のウォッシュアウト期間を経た後、クロスオーバーして再度8日間の連続摂取を行った。
試験期間中、インピーダンステスト(電気抵抗値を計測することで体組織を測定)、レッグエクステンション(大腿四頭筋の筋力・筋量をアップさせるトレーニング)によるパフォーマンステストを実施すると共に、DEXA テストによる体組成測定、VASアンケート調査による運動への意欲や筋肉痛、睡眠に対する評価、LDH(乳酸脱水素酵素)のほか、エクササイズからの回復レベルを確認するために筋酸素化レベルの測定を行った。
【結果・考察】
紫茶エキスを摂取することで、セット1終了後のレッグエクステンションの回数の変化量が有意に増加した(図1)。また、セット1とセット2を合わせた結果からも、紫茶エキスを摂取することで、レッグエクステンションの持久力が向上する傾向が確認された(図2)。
また、ブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素の1つで、運動することにより上昇することが知られる LDH(運動による筋肉ダメージの指標の1つ)の5日目と8日目の変化量は、紫茶エキス摂取群で有意に減少(図3)。紫茶エキスを摂取することにより運動に対する意欲も有意に向上した。
紫茶エキスを1日100㎎、8日間摂取すると、下半身の筋肉運動の持久力が向上し、筋肉のダメージを測定する一般的な指標である乳酸脱水素酵素(LDHの数値が減少することが確認できた。また同時に、運動に関する意欲の向上も確認した。試験を通して副作用は確認されなかった。
以上の結果から、活動的で健康な男性が紫茶エキスを摂取すると、負荷の強い運動後の回復を促進し、運動パフォーマンスの向上を高める可能性があることが示唆された。
論文名:「Journal of Exercise and Nutrition 」
Effects of Purple Tea on Muscle Hyperemia and Oxygenation, Serum Markers of Nitric
Oxide Production and Muscle Damage, and Exercise Performance
オリザ油化㈱
所在地:愛知県一宮市北方町沼田1(本社)
東京都千代田区神田須田町1-5(東京事務所)
TEL:03-5209-9150
URL:https://www.oryza.co.jp
事業内容:機能性食品素材・健康食品の製造・販売
(冒頭の写真:図1・図2「レッグエクステンションの回数の変化量 Set1・Set1+Set2」、文中の写真:図3「乳酸脱水素酵素(LDH)」)