第1回食品表示デジタルツール分科会開催 食品表示懇談会を受けて議論
消費者庁はきのう1日、第1回「食品表示へのデジタルツール活用検討分科会」を開催した。冒頭、井上計審議官が公務で欠席したため、清水正雄食品表示課長が挨拶文を代読した。
井上審議官は同分科会について、食品表示を見て食品を選択する消費者の目線に立った問題意識、考えを持った委員、流通小売を行う立場から食品表示やデータ管理についての知見をインプットする立場の委員、食品安全や食品業界の実態について学術的な視点からも知見を持つ委員で構成したとし、「知見と経験を存分に発揮し、具体的な問題点や今後に向けた提案をいただきたい」と委員に呼び掛けた。
同分科会は、同庁が昨年度開催した「令和5年度食品表示懇談会」において、中長期的な羅針盤となるような制度の大枠の議論を行う中で、食品表示へのデジタルツールの活用については、食品表示懇談会の下に分科会を設けて検討を進めるとされたことを受けて設置されたもの。
これまで、事業者の新たなコスト負担の大きさや情報過多による消費者の混乱などが課題として指摘されている。
分科会の座長には、日本大学大学院・総合社会情報研究科の加藤孝治教授が任命された。
会議では、現在のコーデックスでの検討状況や国内、海外の現状と、現時点での課題が挙げられた。さらに、食品表示へのデジタルツール活用に関する消費者庁の取り組みや海外における取組が紹介された。
同会議は年内に2~3回開催する。第48回コーデックス食品表示部会の報告や関連事業者へのヒアリングを行う他、技術的課題解決の方向性を議論する。
来年度には、議論された方向性に基づき引き続きデータの在り方などを議論し、必要に応じた実証事業の実施と具体的なデジタルツールの活用方法を検討する予定。