積極的な設備投資を実施 【化粧品&美容食品特集】ミリオナ化粧品、来春、大阪第一工場が稼働
㈱ミリオナ化粧品(大阪市北区、阪本雅哉社長)は、1992年に創業した化粧品受託企業。今年30周年を迎えた。効果・効能の表記が可能な医薬部外品のOEMに注力。70アイテム以上の汎用処方を持つ。医薬部外品の化粧品と健康食品を合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の提案も強化。適正な広告表現が可能な製品の供給と、アフターコロナの購買増大に期待して増産体制の準備が進む。
医薬部外品をOEM提供 70アイテムを超える
同社は“医薬部外品のミリオナ”と呼ばれるほど、医薬部外品のOEMを強化してきた。現在、医薬部外品のラインアップは70アイテム以上。ナイアシンアミドを主剤としたシワ対策クリーム、トラネキサム酸、プラセンタ、グリチルリチン酸、ビタミンCなどを主剤とした薬用美白クリーム、塩酸ジフェンヒドラミン、センブリ、グリチルリチン酸などを主剤とした薬用育毛剤、指定医薬部外品の殺菌ハンドジェル、殺菌ハンドスプレーなどを筆頭に、さまざまな医薬部外品をクライアント企業のOEM商品に活用している。
研究開発にも注力しており、OEM・ODM企業としてさらなるブランド化を推進。さらにスキンケアのほか、トイレタリーやヘアケア、メイクアップなどへ展開を広げ、高圧乳化技術による独自のリポソーム原料の製造など、オリジナルの化粧品処方や技術、原料の開発にも注力している。
医薬部外品、化粧品と機能性表示食品を組み合わせた新たな内外美容商品『コスメ・サプリメント』の開発・提案も進めており、機能性表示食品として届出が9件公表されている。
設備投資も加速 来年、大阪第一工場が稼働
ここ数年は設備投資にも注力している。大阪工場に1,500L真空乳化装置を増設し、衛生環境の増加工事を行った。さらに、大阪加納工場で超音波チューブ充填ライン、4連自動充填ラインの増設を行った。また、岡山工場ではアルミ分包ラインを4ライン増設し合計6ラインに、順次化粧品充填ラインの増強を図る方針だ。2018年に新設した物流センターでは、あらゆるモノの入出庫をバーコード管理するシステムを稼働し、新たに各工場の入出庫と計量システムを連動し、計量トラブルや原料、資材、製品などの在庫トラブルを未然に防ぐ仕組みを構築している。
また、来年4月に、大阪第一工場の稼働を予定しており、100億円企業を視野に入れている。今後の展望について阪本社長は、「化粧品OEM受託市場は2,400~2,500億円市場と言われている。50周年に向けて、占有率10%の240~250億円企業を目指す」と話す。まずは、大阪第一工場を軌道に乗せ、岡山工場を次の基幹工場に育てる方針だ。また、海外事業にも早くから取り組んでおり、コロナ禍でそのペースは若干鈍化したものの、アフターコロナを見据えた準備を進めている。
積極的に投資を行い生産規模を拡大してきた同社だが、今後、占有率10%を目指すにあたり阪本社長は、「国内外問わず、多様化する顧客ニーズに対応するため、人材の育成と確保に注力する」としている。その一環として同社では、既存の福岡営業所の増床とラボ併設に向けた準備を進めている。
北海道に進出 地元自治体との連携も
同社は昨年、北海道美唄市と連携し、新工場の建設に着手した。同工場は、豪雪地帯である同地域の雪解け水を使った化粧品用の水を製造する。来年初冬の稼働を目指している。今後の展開として阪本社長は、「『北海道空知地域の雪解け水(仮称)』としてブランド化し、化粧品のイメージ戦略として活用したい」と話す。すでに地元企業との連携も進めており、化粧品受託にとどまらない事業の拡大を計画している。また、同地に化粧品製造の工場建設も計画しており、将来的には北海道色を打ち出し差別化した化粧品製造の提案も視野に入れる。さらに阪本社長は、「同工場で使用する冷房には、冬に降り積もった雪を活用するなど、SDGsを意識した取り組みも行う」としている。
<COMPANY INFORMATION>
所在地:大阪市北区梅田1-2-2-200(本社)
TEL:06-6147-3367
E-mail:info@milliona.jp
URL: https://milliona.jp/
事業内容:化粧品と医薬部外品のOEM/受託製造など
(冒頭の写真:展示会での同社ブースレイアウトの一部/同社提供)
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