発芽玄米で有機JASを不正に表示 農水省がJAS法違反で宮崎の事業者を指導
㈱コダマ(宮崎県日向市、兒玉富喜夫社長)は2023年3月2日~24年4月18日までの間、JAS有機表示認定資格が失効しているにもかかわらず、同社が製造している一部の商品で「有機」の表示を使用していた。
同社は期間中、1万360袋(7,511kg)を一般消費者向けの商品として製造、納品していた。農林水産省九州農政局が今年6月17日~7月31日まで、コダマに立入検査を行いこれらの違反事実を確認した。
これらの行為は、日本農林規格等に関する法律(JAS法)第63条第2項(指定農林物資に係る名称の表示)および同法第37条第1項(格付の表示等の禁止)の規定に違反する。
同省は20日、JAS法第64条(名称の表示の除去命令等)の規定に基づき、不当表示の除去・抹消をコダマに命じるとともに、原因の究明・分析の徹底、再発防止策の実施などを指示した。同社は来月21日までに、実施した対策などの措置について報告書に取りまとめ提出しなければならない。
九州農政局に確認したところ、今回の事案は有機JAS認証が失効しているにもかかわらず、有機JASマークを使用していたことに関する違反行為。「原料や加工方法には問題がなかった。さまざまな記録から、従前と同じ加工であることは確認している」と話している。
取材によると同社は、「4月に社内確認で違反に気付き、九州農政局には5月に自主申告を行った」とし、「すでに改善策の報告を終え、農政局の指示に従い、近日中に書類を提出する予定」という。
また同社は、「コロナ期間中であったり、さまざまな事情があったが、弊社が認証格付資格を失効しているにもかかわらず、継続していたことは弊社のミスであり、指導処分は当然と受け止めて反省している。今後は、より一層、農政局の指導はもとより、法制法規を真摯に受け止め、社内ルール、情報共有を徹底して再発防止に努め、より良い商品を提供していきたい」と述べている。
【田代 宏】
※詳細はこちら(農水省HPより)