痩身うたうオンライン美容医療、副作用などのトラブル発生~国民生活センター
痩身効果をうたうオンライン美容医療で消費者トラブルが発生していることを受けて、(独)国民生活センターは3日、クリニックの広告を鵜呑みにせずに、利用する必要性を慎重に判断するように注意を呼びかけた。
クリニックのウェブサイトでは「たった2カ月で-10㎏達成」、「遠隔地に住んでいても簡単に始められる」などと宣伝。消費者はウェブ上でカウンセリングを予約し、オンラインで治療の説明を受けた後に契約を締結する。後日、自宅に薬剤が届き、自己注射するという流れだ。使用する薬剤は、糖尿病治療薬として国内で承認されている「GLP-1受容体作動薬」だが、痩身・ダイエットなどは適応外となる。
消費者相談は2017年度から寄せられ始め、今年8月末時点で40件以上に上る。相談内容を見ると、「アドバイザーから薬剤の量の指示を受けるばかりで、医師の対応はなかった」、「3カ月経過したが、1キロしか痩せていない」、「冷蔵保存するはずの薬剤が常温で届いた」などがある。副作用を訴える相談も寄せられている。
同センターでは、薬剤の使用方法の説明や管理方法が不十分な点、副作用が出た場合の医師の対応が不十分な点などを問題視。「海外からの個人輸入では、薬剤の管理方法がよくわからず、常温保存だと変性したり、失活したりする」(相談情報部)と説明している。
消費者に対し、「GLP-1受容体作動薬」は痩身目的の使用について安全性も有効性も確認されていないため、注意が必要とアドバイス。また、副作用が発生した場合の対応を予め確認するなどの慎重な行動を求めている。
(写真:3日午後に行われた記者発表の様子)