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疾病リスク低減表示、生まれ変わるか メタボ・心血管疾患・2型糖尿病、申請された表示許可

 メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する──そのように具体的な疾病名を挙げながら、その発症リスクを低減させる旨の表示を行うトクホ(特定保健用食品)の許可申請が相次いで行われたことが分かった。5つあるトクホの区分のうち「疾病リスク低減表示」の枠組みで申請されたもので、トクホ制度を所管する消費者庁が14日、明らかにした。許可されれば、従来にない表示を行うトクホが生まれることになる。今後、専門家による審査が行われる。

 消費者庁によると、疾病リスク低減表示の許可申請を行ったのはマルハニチロ㈱(東京都江東区)、花王㈱(同中央区)、サントリー食品インターナショナル㈱(同港区)の大手3社。マルハニチロは「歳をとってから心血管疾患になるリスクを低減する可能性がある」旨の表示を、DHA・EPAを関与成分とするフィッシュソーセージについて行うことを申請した。

 花王は、茶カテキンを関与成分にした茶系飲料について「メタボリックシンドロームの発症リスクを低減する」旨の表示許可を申請。サントリー食品は、「2型糖尿病の発症リスクを低減する可能性がある」旨の表示を茶系飲料で行うことへの許可を求めている。サントリー食品が申請した関与成分は桑の葉由来イミノシュガー。

これまでの許可実績、「カルシウムと骨粗鬆症」のみ

 国が基準をあらかじめ定めた「カルシウムと骨粗鬆症」、「葉酸と神経管閉鎖障害」以外の疾病リスク低減表示の許可申請が行われたのは今回が初めて。申請するには、有効性に関してメタアナリシスを行った論文を提出するなどの要件を満たす必要がある。消費者庁は、申請された3製品とも要件を満たしていると判断。14日までに効果や安全性の審査を消費者委員会に諮問した。

 今後の審査に要する期間は、初の申請事例であるため「見通せない」(食品表示企画課)。通常のトクホの表示許可審査でも数年を要することがある。トクホの関与成分として許可実績のない成分を含む製品に関しては、食品安全委員会でも安全性の審査が行われることになる。今回申請された成分のうち、DHA・EPAと茶カテキンは許可実績がある。

 疾病リスクの低減に資する旨の表示を食品で行うことは、日本ではトクホにだけ認められている。通常の食品はもとより、トクホと同じ保健機能食品に分類される機能性表示食品や栄養機能食品でも行えない特殊な食品機能表示だ。2005年から運用が始まっていたが、これまでに許可された疾病リスク低減表示は「カルシウムと骨粗鬆症」に限られている。

【石川 太郎】

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