添加物に関する消費者の声を紹介~第3回食品添加物不使用検討会
消費者庁は21日、第3回 無添加不使用表示検討会をオンライン開催した。「食品添加物の不使用表示の表示方法の考え方」について、㈱セブン-イレブンジャパン(斉藤委員)、㈱イトーヨーカ堂(坂野委員)、イオントップバリュ㈱(横山委員)からヒアリングを行った。各社店舗に寄せられる「添加物」に関する消費者からの問い合わせについて、その傾向と対策について紹介した。
セブン-イレブンジャパンは、「商品が腐らないのはおかしい!食品添加物をたくさん使ってるんでしょ?」、「食品添加物が表示されていないけど本当は使っているのでは?」、Twitterに商品添加物は体に悪いとの投稿がありました。本当ですか?」、「健康に気をつけています。食品添加物を使用していない商品を教えてください」などの声を紹介。前後2つずつを「企業に対する不信感」、「添加物の知識不足・情報不足」と分類し、顧客と企業に存在する情報格差を埋めることを課題に挙げている。
イオントップバリュは、お客さまの声収集システム「VOICE」に寄せられた声を紹介。年間約40万件のうち、原材料に関する問い合わせが年間約5,000件、添加物に対する声は食品全体の1.1~1.4%(2020年)程度と紹介した。添加物は原材料の1項目に分類しており、毎年一定数の問い合わせがあるとしている。
原材料に関する問い合わせでは、1番目が産地、2番目が栄養成分、3番目がアレルゲン、4番目がハラルやビーガンなどに関する問い合わせで、添加物については5番目で全体の約8%の構成比。問い合わせで多いのは、年齢の高い男性が年々増えてきているという。
イトーヨーカ堂は、衣料品から中間品まで幅広く販売しているため、消費者の声の大半が接客応対、店舗の運営に関するご指摘や要望に限られているとした。
そのほか、事務局(消費者庁)からは「令和2年度食品表示に関する消費者意向調査報告書」から食品添加物の不使用表示に関する調査について報告。また、上田委員、武石委員からは意見書が提出された。次回以降の参考として、「令和2年度 新たな加工食品の原料原産地表示制度等に係る表示実態調査」(食品添加物の不使用表示に関する記載箇所抜粋)を紹介した。
次回開催は9月下旬を予定しているが非公開。非公開の理由について消費者庁は「個別の商品の表示について討議するため」としている。
今回の検討会では、多くの傍聴者から音声環境の不備について指摘があった。消費者庁のオンライン会議では珍しくないトラブルだが、今回の場合、大半の音声が聞き取り困難な状況だった。コロナ禍における検討会は今後も増えることが予想されるため、改善が求められる。
【田代 宏】