消費者庁とJAOHFAが合同セミナー 初回報告期限「3月31日」遵守とGMP要件化の実務について解説
消費者庁と(一社)健康食品産業協議会(JAOHFA、川久保英一会長)はきのう25日、機能性表示食品制度の見直しに伴う合同セミナーを開催した。テーマは、「報告期限迫る!機能性表示食品の自己点検等報告について」。
会場は、東京ビッグサイト(東京都江東区)で同日から27日まで開催されている「健康博覧会2026」内に設置されたセミナー会場。約200席ある会場は、業界関係者らでほぼ満席となった。
紅麹関連事案を受け、制度の信頼性を高めるために施行された改正食品表示基準等に基づき、事業者には年1回の自己点検と消費者庁への報告が義務化されている。セミナーでは、行政担当者および各専門分科会から、実務上の留意点や具体的な報告手順が説明された 。
自己点検と報告の義務化
セミナーの冒頭、消費者庁食品表示課保健表示室課長補佐の糸井雄一氏は、制度見直しの背景として「紅麹関連事案を受け、機能性表示食品制度の信頼性を高めるために改正が行われた」と説明。
糸井氏は、新設された「自己点検と報告」について、既存の全届出品に対する初回報告期限を「3月31日」と明示。この期限は絶対的なものであり、未提出の場合について「機能性表示食品の要件を欠くことになり、販売が不可となる」と強調。また、食品表示法に基づく指示や公表の対象となるリスクについても言及し、コンプライアンス遵守を強く促した。
報告の実務については、「消費者庁のウェブサイトから、指定の様式(Excel)を用いてPDF化して提出」する流れとなると説明。その際、法人共通認証基盤である「GBizIDによるログイン」が必須となるため、未取得の事業者は速やかに取得手続きを行う必要があると話した。
GMPの要件化と品質管理
カプセル・錠剤形態の食品における「GMP(適正製造規範)の要件化」についても説明があった。糸井氏は、天然物由来の抽出物を原材料とする製品においてGMPが必須要件となったことを説明し、改めて「今年9月1日から完全施行される予定だ」と述べた。製造所が基準を満たしているかの確認方法については、届出者自らが製造所への実地確認、製造所からの報告、第三者機関による点検などを通じて確認する必要があり、届出者が最終的な責任を負う体制が強調された。
各分科会の活動報告
続いて、JAOHFA の各分科会から、活動報告と併せて事業者の負担軽減と適正運用のためのツールや指針が紹介された。
ガイドライン分科会副会長の津金氏(㈱ロッテ)は、「制度改善チームとして、電子申請システムの活用による迅速化や、利用者の声に基づいた制度のあり方の検討を行っている。複数の班に分かれ、情報の収集・分析を行い、改善提案書の作成やルールの整理を進めており、フィードバックを反映させながら、より使いやすい制度を目指す」と話した。
科学的根拠の継続的評価
エビデンス向上分科会長の柳本賢一(㈱ニッスイ)氏は、PRISMA 2020への対応など、科学的根拠の質を維持するための留意点を解説した。特に「新たな科学的知見」への対応について、柳本氏は、事業者が混乱しやすい点として、「自己点検とSRの再実施は分けて考えるべきだ」と述べ、合理的な運用についてアドバイスした。
GMP構築と安全性点検
健康食品原材料・製品の製造・品質分科会長の大曲泰史 (ユニキス㈱)氏は、GMP要件化に伴う製造現場での課題に触れた。特に受託加工メーカーにおける「機能性関与成分を含む原材料の受け入れ管理」の重要性を指摘し、業界向けの解説書やフローチャートを整備していると報告した。また、同分科会が開発した「原材料の安全性に関する自主点検チェックリスト」は無料で利用可能であり、積極的な活用を呼びかけた。
消費者庁、新知見やSR更新の扱いで見解
第2部のパネルディスカッションでは、ガイドライン分科会長の西村栄作氏(森永製菓㈱)が進行を務め、講演者全員が登壇した。科学的知見の更新やSRの取り扱い、製造所の確認方法など、事業者が直面する疑問への見解が示された。届出後に新たな知見が得られた際の判断について、消費者庁の糸井氏は、最終的な評価が変わらない場合は自己点検報告において「新たな知見が得られなかった」と判断して差し支えないとの認識を示した。既存の評価結果に影響を及ぼさない範囲であれば、肯定的・否定的な知見を問わず、現状の評価を維持できるとしている。
またSR作成者が軽微な修正を行った場合も、エビデンスの評価自体に変更がない限り、以前のバージョンのまま点検を継続して問題ないと説明。軽微な修正のたびに一律で変更届を出すことは義務付けておらず、自己点検のたびにSRを常に見直すべき性質のものではないとした。分科会の柳本氏も、評価を覆すものでない限り、直ちに届出を出し直す必要はないとの解釈を示した。
【藤田勇一】
(冒頭の写真:ほぼ満席となった約200席の会場、下の写真:パネルディスカッションの様子)


