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消費者庁、39社33商品に改善要請
通販会社が新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼう

 新型コロナウイルス感染症に対する予防効果を標ぼうする通信販売事業者39社に対し、消費者庁はインターネット広告の改善を要請するとともに国民に対してもツイッターやフェイスブック、公式LINEで注意喚起を行った。
 18日、若宮健嗣内閣府特命担当大臣が定例会見で注意を呼びかけた後、南雅晴表示対策課長が緊急記者会見を開いた。

 消費者庁は、2020年3月10日・27日、6月5日、21年2月19日、同6月25日の発表に続き、昨年12月から緊急監視を実施し、今回、6度目の発表に至った(合計226事業者による249商品または役務)。「コロナに効く」、「免疫を高める」などの表示について調べたところ、客観性・合理性を欠き、景品表示法(優良誤認表示)や健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反する恐れがあるとして、39社33商品の表示に対して改善要請を行ったという。

 対象となったのは、健康食品(28事業者28商品)、二酸化塩素を用いた首掛け型空間除菌剤(8事業者2商品)、抗ウイルス処理カーテン(2事業者2商品)、マイナスイオン発生器(1事業者1商品)。

 健康食品の表示には、「今話題の5-ALA(5-アミノレブリン酸)をサプリメントで摂取、コロナ対策COVID-19感染予防、免疫力アップ」、「〇〇大学の研究で話題、コロナウイルスの増殖を抑える効果がある5ALA(5-アミノレブリン酸)」、「コロナ対策、免疫力UP、毎日1杯の味噌汁(メラノイジン)でアンチエイジング」、「ビフィズス菌でコロナ対策、免疫を高め、病気に負けない体を作る」などのほか、フコイダン、スイカズラ、ビタミンD、チャーガ、柿渋などの原材料を使用し、免疫効果を強調した健康食品が含まれていた。

 会見に出席していた記者から、公表資料の中で5-ALAを上に持ってきた理由を問われた消費者庁は「特に意味はない。過去5回の中でなかったもので、これまでと差別化を図る意味でそうした」とコメントしているが、前回の調査ではすでに「新型コロナウイルスの増殖を抑制する5-ALA」として改善要請を行っているようだ。同じ記者から、臨床試験が行われていないので指導に至ったのかという質問に対して消費者庁は「表示内容全体から健康食品を摂取すればコロナ対策として有効ではないかと誤認される恐れがあり、客観的根拠がない恐れがあるのではないかということで指導している。成分自体に問題があると言っているのではない」と答えている。事業者の表示を前提に、景表法に抵触する恐れがあるとの判断に基づいているとし、「今回はあくまで指導であり、処分ではない」と繰り返し説明している。

 首掛け空間除菌剤については、「首掛けタイプ ストラップ付 コロナ対策 ウイルス対策 安全安心 無毒」、「感染予防 コロナ対策 電車・オフィス・学校など人の集まる場所や身の回りの空間のウイルス対策」などと表示。

 抗ウイルス処理カーテンでは、「コロナウイルス粒子を破壊! カーテンにも「安全」洗濯しても効果が続く!だから安心! カーテンの繊維に吸着したウイルスにアタック!」、「【抗ウイルス可能】【新型コロナ対策】」と表示。

 マイナスイオン発生器では、「その浮遊粒子を重くして着地させることで、呼吸で吸い込むウイルスや菌の濃度をできるだけ下げる目的です。「感染防止」、「コロナ対策」に役に立つと思います」、「用途:感染防止 ウイルス 花粉 たばこ コロナ除菌 殺菌 消臭対策」などと標ぼうしていた。

 南課長によれば今回、1社を除いて全ての事業者が表示の改善に従っているという。
 また、改善要請を行った事業者がインターネットのショッピングモールに出品している場合は、モールの運営事業者にも情報提供を行ったという。

 (国研)医薬基盤・健康・栄養研究所のHFNetには、「現時点で、新型コロナウイルス感染症に対する予防効果が確認された食品・素材の情報は見当たりません」、「いくつかの食品・素材においては、新型コロナウイルス感染症に対する予防効果が検討されていますが、現時点ではいずれも予備的な検討であり、科学的根拠を示すまでには至っていません」と注意を促している。

【田代 宏】

YouTube動画:記者会見アーカイブ「新型コロナ予防広告に改善要請!」

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