消費者庁、食品添加物表示制度を見直し 来春に結論
<今月18日に検討開始>
消費者庁は10日、食品添加物表示制度を見直すと発表した。「食品添加物表示制度に関する検討会」を立ち上げ、1年程度をかけて検討する。来年3月末をめどに取りまとめる検討結果を受けて、食品表示基準を改正し、新たな表示制度を整備する方針だ。
同検討会は消費者代表、事業者代表、学識経験者などの11人で構成。座長は西島基弘(実践女子大学名誉教授)氏が務める。今月18日に初会合を開き、議論をスタートさせる。当面は月に1回程度のペースで会合を持ち、消費者団体や事業者からのヒアリングを通して、現行制度の課題を探る予定という。
現行では食品容器に食品添加物を表示する場合、原則として使用した全ての添加物について「物質名」による表示が求められる。例外措置として、複数の物質名を「イーストフード」「豆腐用凝固剤」と一括りにして表示する方法や、消費者が理解しやすいように物質名とともに「甘味料」「着色料」といった用途名の併記なども認めている。
食品表示法の制定へ向けて開かれた「食品表示一元化検討会」の中間整理の際に実施した意見募集では、「一括表示がわかりにくい」、「物質名の記載は表示スペースを取るため、EUのように番号で記載できないか」、「『無添加』『添加物不使用』と過度に強調した表示は不適切」などの意見が寄せられていた。
消費者庁の担当官は、「海外の表示制度の状況も踏まえ、国際的な整合性も含めて検討する」(食品表示企画課)と話している。