消費者庁、第4回WT会合
特定商取引法などにおける契約書面の電子化のための新たなルールづくりを協議する第4回「ワーキングチーム会合」(特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会/WT会合)が25日、消費者庁で開かれた。
今回、ヒアリングに応じたのは、規制改革推進会議でオンライン完結型のサービスを前提に規制改革要望を提案した新経済連盟と、特定適格消費者団体として悪質な事業者の更生に努める(特非)消費者支援機構関西(ケーシーズ)の2団体。
新経済連盟(新経連)は、具体的な電子化に関する承諾の取得や電子書面の交付の仕方について紹介した。新経連事務局政策部の片岡康子氏は、まず提案に関する要望として、オンラインを前提として手続きを求める消費者に対して面倒な手続きや過剰なハードルを強制するようなことになってはよくない。具体的なルールを定めるにあたり、オンラインを前提としているのかそうではなのか、サービスの性質を考慮した上で、オンラインを前提としている場合には比較的簡単な承諾方法での電磁的交付を認めてほしいと述べた。
具体的な方法として、特定商取引法に基づく書面交付について、申し込み画面のチェックボックスをオンライン手続きと書面の郵送による手続きとに分ける、申し込み方法をあらかじめオンラインと教室の窓口における書面での手続きに分けるなど、英会話のオンラインレッスンを行っている事業者を例に引いて説明した。
また、電子通信事業法や割賦販売法における電子交付の例を複数紹介した。
これに対して池本委員は、クーリングオフの起点がどこになるのかについて質問。また、電子通信事業法や割賦販売法が事業者の登録制や届出制を取っており、契約をめぐり契約条件の説明義務、業務適正化義務、加盟店調査義務などが整備されている点を指摘。特商法とは異なるのではないかと質問した。
新経連の楠原啓司氏はそれに対し、特商法には他の法律が定めている事前規制を定めていないため規制が緩やかである点を認めたうえで、入力画面や最終確認画面を設けるなどし、「例えばクーリングオフは書面が届いたとか、この次の確認画面が届いたときから8日間ですよなどの説明を設ければ、解決できるのではないか」と述べた。
この後、消費者支援機構関西は、書面の電子化は消費者の利益保護に反すると主張。書面に記載すべき事項を電磁的方法で提供できるのは、政令で定める方法で申し込みをした者の「承諾」を得たときだけ、「承諾」は真意に基づくもので、後日、争いにならない程度に確実であることが必要だと説明した。また、承諾の意思確認は契約締結の意思確認とは別に、それに先んじて行われる必要があると述べた。さらに、成年年齢の引き下げによる電磁化の課題についても説明した。説明に対して池本委員は、懸念される事例についてそれぞれの理由を求めた。
【田代 宏】