消費者庁、第3回「消費者裁判手続特例法等に関する検討会」開催
消費者庁は13日、第3回「消費者裁判手続特例法等に関する検討会」を開催した。一橋大学大学院法学研究科教授の山本和彦座長を中心に、消費者支援団体や法曹界の専門家9人が検討委員として出席している。
今回の検討会では、消費者裁判手続特例法の「対象となる事案の範囲」、「共通義務確認訴訟における和解に関する規律の在り方」について委員から意見を求めた。
「対象となる事案の範囲」について現行法上では、債務が履行されず、本来得られるはずだった利益を喪失したことによる消費者の損害や、消費者の生命や身体を害されたことによる損害、慰謝料などは対象外と定められている。また、法人である事業者の代表者や従業員などの個人は被告としないとされている。
そこで、対象となる請求・損害の範囲についてどのように考えるか、事案の対象になるかどうかの基準についてどのように考えるか、被告の範囲についてどのように考えるかなどが話し合われた。
「共通義務確認訴訟における和解に関する規律の在り方」について、「現行法上、共通義務確認訴訟では共通義務が存在、または存在しないことについての訴訟上の和解しかできないということになっている」、「少額の消費者被害事案では、訴訟上の和解を実現する法的根拠がないことから使い勝手が悪くなっている」など、特定定格消費者団体へのヒアリングから得られた現行法上の課題をあげた。
こうした課題に対して、「柔軟な和解が可能になることで、法がより活用されることとなり、さらなる消費者被害の救済の拡大につながる」、「和解のメリットの1つである紛争の早期解決という点にフォーカスを当てれば、消費者の和解に対するインセンティブは高い」などの意見があった。
次回検討会は、5月20日に開催される。
【藤田勇一】