消費者契約検討会、「サルベージ条項」めぐり賛否
消費者契約法の改正に向けて、消費者庁の「消費者契約に関する検討会」は16日、ウェブサイトの利用規約や商品の販売規約などで使われる「サルベージ条項」について議論した。会合はオンラインで行われた。
サルベージ条項とは、本来ならば無効となる条項について、「法律で許容される範囲において」といった文言を加えたもの。外資系デジタル・プラットフォームの利用規約などでも見られる。
抽象的な表現のため、消費者にとってはわかりにくく、無効であるはずの条項を押し付けられる可能性もある。一方、事業者にとっては、関連法規が改正されるたびに、個別の条項を見直す手間を省けるという使い勝手の良さがある。
サルベージ条項について、消費者庁からは2案が示された。第1の案は、「消費者利益を一方的に害する条項の無効」を規定する消費者契約法第10条の第1要件(消費者の権利を制限または消費者の義務を加重する条項)の例示に追加するというもの。第2の案は、消費者契約法やその他の法令によって無効とされる条項について、「無効となる範囲を限定する条項」を無効とする内容。
各委員からは、「個別の条項の作成は事業者が負うべき負担」、「サルベージ条項は無効となるものを目隠しするもの」など、案に賛成する意見が多数寄せられた。一方、「小規模事業者にとって、法改正のたびに対応することは難しい」といった反対意見も聞かれた。