水道水が原因とされる食中毒発生 カンピロバクターによる集団発症、水道法に基づき改善指示
群馬県多野郡神流町において、同町が供給した水道水を原因とする食中毒事件が発生した。群馬県がきのう発表した。発症は4月11日に確認され、原因物質は「カンピロバクター・ジェジュニ」と断定された。
群馬県の藤岡保健所(群馬県藤岡市)は23日付で水道法第36条第1項に基づき、神流町に対して改善指示を行った。なお、本件により入院者は出ておらず、発症した住民はいずれも快方に向かっているという。
発症者は、神流町相原地区で配水された水道水を摂取した37人のうち、男性10人と女性4人の合計14人。年齢層は幼児から80歳代まで幅広い。全員が神流町在住で、主な症状は下痢・腹痛・発熱だった。同保健所が実施した調査により、有症者に共通する飲食物は相原配水池から供給された水道水のみであることが判明した。
神流町が行った水質検査では、水道法に定める水質基準を超える汚染が確認され、有症者の検便からはカンピロバクターが検出されたことにより、当該水道水が病因であると確定された。
群馬県は、21日に神流町に対して飲用としての水道供給の停止を指導し、23日に水道法に基づく正式な改善指示を出した。神流町では19日から飲用制限を実施しており、住民の安全確保に取り組んでいる。群馬県によれば、飲用水としての使用は当面、控えるように指導中という。
【編集部】